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転職・就職で有利な士業・国家資格:一般企業編

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士業の働き方が多様化し、事務所だけでなく、一般企業に勤務する資格者が増えています。企業側も士業の専門性を評価し、積極的に採用するようになりましたので、キャリアの可能性が広がっています。

私は人事部でキャリア採用を担当した経験がありますが、ニーズが高い士業の資格者はそれだけで書類選考に有利です。転職や就職において士業・国家資格を持つことは、大きな強みとなるはずです。

士業にはさまざまな専門分野の資格がありますが、ここでは一般企業の転職・就職に有利な資格についてご紹介します。

企業で活かせる士業の資格

士業とは、特定の専門分野における国家資格を持つ職業の総称です。事務所に所属したり、独立開業に有利な資格も多いですが、一般企業に勤務する資格者も増えています。

企業が士業資格を求める理由

企業が士業の国家資格を持つ人材を求める理由には、次のようなポイントがあります。

専門知識を活かした業務対応

士業の資格者を採用すると、法律や会計、税務、人事労務などの専門的な知識を必要とする業務を企業内の人材で対応できるようになります。

外部の専門家に依頼するコストを削減し、迅速な意思決定を可能にするため、資格保有者は重宝されます。

信頼性・説得力の向上

士業の専門知識は、クライアントや取引先、社内の関係者に対して信頼感を与えることができます。特に、財務・法務関連のポジションでは、資格があるだけで周囲の評価が高まることも多くあります。

キャリアアップの可能性

企業内で専門知識を活かすことで、昇進や管理職へのキャリアパスが広がります。企業によっては、資格手当が支給されるケースもあり、待遇面でもメリットがあります。

公認会計士

公認会計士は会計のスペシャリストとして、企業等の公正な経済活動のために監査業務を担う国家資格です。

企業では内部監査や会計、財務、コンサルティングの業務において、専門性を活かすことができます。

試験概要

  • 受験資格:制限なし
  • 試験日
    ・短答式:12月、翌年5月
    ・論文式:翌年8月
  • 試験地:全国の主要都市
  • 試験内容
    ・短答式:財務会計論、管理会計論、監査論、企業法
    ・論文式:会計学、監査論、企業法、租税法、経営学、経済学、民法、統計学
  • 問い合わせ:公認会計士・監査審査会

活かせる業界・職種

  • 金融機関、大手企業、外資系企業、コンサルティング会社
  • 経理・財務担当、内部監査、CFO(最高財務責任者)候補

おすすめの人

公認会計士は、会計・財務のスペシャリストとして企業内で重宝されます。特に経理・財務部門、内部監査、M&A部門などでの需要が高く、企業の経営戦略に関心のある人におすすめです。

キャリア採用の実務を経験した個人的な感想としては、採用したい度トップ資格でした。

税理士

税理士は税務・会計の専門家として、税務書類の作成、税務相談などを行う国家資格です。独立開業に強い資格ですが、企業内でも活躍の場が広がっています。

試験概要

  • 受験資格:学識、資格、職歴の要件あり
  • 試験日:年1回(8月)
  • 試験地:全国の各国税局、国税事務所の所在地
  • 試験内容:会計学、税法
  • 問い合わせ:各国税局・国税事務所

活かせる業界・職種

  • 一般企業、会計事務所、税理士法人、金融機関
  • 経理・財務担当、税務コンサルタント、CFO候補

おすすめの人

税務の専門家として、企業の税務申告や節税対策、財務戦略の策定などで専門性を活かすことができます。特に企業の財務部門や経営企画部門で活躍したい人におすすめです。

社会保険労務士

労働・社会保険に関する専門家の国家資格です。人事労務のスペシャリストとして企業経営を「人」からサポートできます。

試験概要

  • 受験資格:学歴・実務経験・資格等の要件あり
  • 試験日:年1回(8月)
  • 試験地:全国の主要都市
  • 試験内容:学科試験(労働・社会保険科目)
  • 問い合わせ:全国社会保険労務士会連合会試験センター

活かせる業界・職種

  • 一般企業、人事コンサルティング会社、社会保険労務士法人
  • 人事・労務担当、労務管理コンサルタント

おすすめの人

労務管理や社会保険に関する専門知識を活かし、企業の人事部門での活躍したい人におすすめです。働き方が多様化し、労務管理が複雑化するなかで、企業のコンプライアンス対策としても専門知識を活用できます。

人事部門での社労士資格の活かし方については、こちらの記事で詳しくご紹介します。

人事部門で社会保険労務士の専門性を活かすには?
この記事では、人事部門で社会保険労務士の専門性を活かせる具体的な業務、キャリアについて詳しくご紹介します。

弁護士(企業法務)

弁護士は法律の最高資格です。企業への転職希望者も多く、M&Aや商取引トラブルの複雑化に伴い企業内弁護士の活躍の場は広がっています。

試験情報

  • 受験資格:司法試験は法科大学院の課程修了または司法試験予備試験の合格
  • 試験日:7月(4日間)
  • 試験地:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、那覇
  • 試験内容
    ・短答式:憲法、民法、刑法
    ・論文式:公法系科目、民事系科目、刑事系科目、選択科目
  • 問い合わせ:司法試験委員会

活かせる業界・職種

  • 大手企業、金融機関、IT企業、コンサルティング会社
  • 企業法務担当、コンプライアンス担当、M&Aアドバイザー

おすすめの人

法務部門で企業内弁護士(インハウスロイヤー)として活躍できるほか、M&Aやコンプライアンス対応など、経営層に近いポジションで仕事をしたい人におすすめです。

行政書士

行政書士は、官公署に提出する許認可等の申請書類の作成や提出手続代理などを報酬を得て行う国家資格です。法律系で一番人気の資格です。

試験概要

  • 受験資格:制限なし
  • 試験日:年1回(11月)
  • 試験地:各都道府県の試験会場
  • 試験内容
    ・行政書士の業務に関し必要な法令等(択一式・記述式)
    ・行政書士の業務に関し必要な基礎知識(択一式)
  • 問い合わせ:一般財団法人行政書士試験研究センター

活かせる業界・職種

  • スタートアップ企業、建設業、運送業、外国人関連ビジネス
  • 企業法務アシスタント、新規事業開発、管理部門

おすすめの人

許認可申請や契約書作成などの業務に専門性を活かすことができます。法務部門や管理部門での業務、新規事業の立ち上げ支援に携わりたい人におすすめです。

中小企業診断士

中小企業診断士は、企業の経営状況を総合的に診断して、幅広くコンサルティング業務を行う経営コンサルタントの国家資格です。

経営に関する一通りの知識を学び、企業を見る総合的な視点が養われます。

試験概要

  • 受験資格:制限なし
  • 試験日:一次試験(8月)、二次試験(10月・翌年1月)
  • 試験内容:第1次試験(7科目の筆記)、第2次試験(筆記・口述)
  • 試験地:
  • 問い合わせ:一般社団法人 中小企業診断協会

活かせる業界・職種

  • 金融機関、コンサルティングファーム、一般企業
  • 金融機関で経営企画担当、コンサルタント、事業開発などの職種

おすすめの人

経営戦略や事業改善の専門知識を活かし、経営企画部門やコンサルティング業務で活躍できます。経営に近い業務で専門性を活かせるので、経営志向の強い人におすすめです。

士業資格を活かした企業への転職・就職戦略

ここで紹介した士業の資格は、難易度が高く、取得しただけでも評価はされますが、それだけで、企業への転職や就職が有利になるわけではありません。資格を活かして企業に採用されるためには、経験とセットでより強力になります。

実務経験を積む

企業は即戦力を求めることが多いので、資格を取得した後に実務経験を積むことが重要です。例えば、働きながら関連する資格を取得して、経験を積んでからキャリアアップを目指すと効果的です。

資格+αのスキルを身につける

士業の資格に加えて、ITスキルや語学力を身につけることで、企業での評価が格段に高まります。外資系企業やグローバル展開をしている企業では、業務での使用頻度に関わらず英語力があることが前提となるでしょう。

転職エージェントを活用する

士業など専門性の高い資格を持つ人材に強い転職エージェントを上手に活用することで、より適切な企業とマッチングしやすくなります。企業のニーズを把握し、適切なアピールをすることが転職成功の鍵となります。

まとめ

士業の資格者は、企業への転職や就職において有利になることが多いです。ここで紹介した士業の資格は、多くの企業で高い需要があります。

資格は大きな強みになりますが、資格を取得するだけで採用されるのではなく、実務経験やプラスαのスキルを磨くことが転職を成功させるためには必要です。

専門性を活かして、キャリアアップを実現する参考になれば幸いです。

社労士とのダブルライセンスについては、こちらの記事でご紹介します。

社会保険労務士のダブルライセンスについて効果の高い資格とは?
この記事では、社労士と相乗効果の高い資格を厳選して、それぞれダブルライセンスの効果、活かし方についてご紹介します。

参照:厚生労働省、経済産業省、各試験実施機関公式サイト
試験内容は変更になる場合がありますので、最新情報は各試験実施機関公式サイトをご確認ください。