人事系のキャリアに役立つ資格には社労士やキャリアコンサルタント、衛生管理者などがありますが、TOEICも外すことができません。
グローバル化が進み、ビジネス英語が求められるのは、外資系企業や世界中に拠点を持つグローバル企業だけではなくなりました。
製造業、販売業、サービス業、その他の国内企業でも幅広く求められるようになっています。対外的な関係だけでなく、社内や職場にも外国人の社員がいる環境が増えているのではないでしょうか。
人事部業務で私も英語力の必要性はずっと感じてはいましたが、努力しても英語がカタカナで聞こえてくる耳で苦労しました。
日常業務、転職、昇格・昇進、海外赴任など、それぞれ必要とされる英語力のレベルは変わってきますが、必要性を感じていない人の方が少ないのではないかと思います。
ここでは転職・採用で不利にならない英語力とTOEIC対策についてご紹介します。
TOEIC(R)L&R TESTとは
TOEIC(R)L&R TESTは世界共通の英語力判定試験です。 国内企業の多くで、採用や昇格・昇進の判断基準にTOEICスコアを利用するようになり、求めるレベルも上がっています。
TOEICテストの概要
テストは英文のみで構成され、リスニングとリーディングの問題にマークシートで答える2時間程度のテストです。
受験資格
制限なし
試験日
毎月1回(実施回数は受験地ごとに異なる)
試験地
全国のエリアごとの試験会場
試験内容
マークシート方式
- リスニングセッション:約45分・100問
・写真描写問題 ・応用問題 ・会話問題 ・説明文問題 - リーディングセッション:75分間・200問
・短文穴埋め問題 ・長文穴埋め問題 ・1つの文書/複数の文書
問い合わせ
一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会
TOEICテストの問題
グローバルビジネスで活用できる英語力を測定する問題になっています。
リスニング:写真描写問題
写真を見て、その写真を適切に描写しているものを選ぶ問題です。 1枚の写真について4つの短い説明文が1度だけ放送されます。 説明文は印刷されていません。 4つのうち、写真を最も的確に描写しているものを選び、解答用紙にマークします。
リスニング:応答問題
質問または文章を聞き、もっとも適した答えを選ぶ問題です。 1つの質問または文章とそれに対する3つの答えがそれぞれ1度だけ放送されます。 印刷はされていません。 設問に対してもっともふさわしい答えを選び、解答用紙にマークします。
リスニング:会話問題
会話を聞き、質問に対してもっとも適したものを選ぶ問題です。 2人または3人の人物による会話が1度だけ放送されます。 印刷はされていません。 人物の会話を聞いて、その内容について最も適したものを4つの選択肢から選び、解答用紙にマークします。
リスニング:説明文問題
アナウンスやナレーションなどの説明文を聞き、質問に対してもっとも適したものを選ぶ問題です。 アナウンスやナレーションのようなミニトークが1度だけ放送されます。印刷はされていません。 各トークを聞いて、その内容について最も適したものを4つの選択肢から選び、解答用紙にマークします。
リーディング:短文穴埋め問題
文章を完成させるために、もっとも適したものを選ぶ問題です。 不完全な文章を完成させるために、4つの答えの中からもっとも適当なものを選び、解答用紙にマークします。
リーディング:長文穴埋め問題
文章を完成させるために、もっとも適したものを選ぶ問題です。 不完全な文章を完成させるために、4つの答え(単語や句または一文)の中からもっとも適当なものを選び、解答用紙にマークします。 各長文には設問が4問ずつあります。
リーディング:読解問題
文書を読み、質問に対してもっとも適したものを選ぶ問題です。いろいろな文書が印刷されています。 設問を読み、4つの答えの中からもっとも適当なものを選び、解答用紙にマークします。 文書内に新たな一文を挿入するのに最も適切な箇所を選ぶ設問もあります。 各文書には設問が数問ずつあります。
TOEICスコアの目標
TOEICのスコアアップには、目標を明確にすることが大切です。 短めの期間に区切って対策することをおすすめします。
スコアレベル
- 860以上
Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる - 730以上860未満
どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている - 470以上730未満
日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションができる - 220以上470未満
通常会話で最低限のコミュニケーションができる - 220未満
コミュニケーションができるまでに至っていない
期待されるスコアの目安
TOEICテストの結果は合格・不合格ではなく、トータル10~990の「スコア」として表示されます。 新入社員がハイスコアで入社する時代です。グローバル企業や人気企業などへの転職を目指すのであれば、TOEICで高いスコアを保持していることが必要となります。
スコアは高ければ高いほどいいとは思いますが、英語力で採用に不利にならないレベルとしては、転職で600以上、特にグローバル企業や外資系企業では800以上を目標と考えておいた方がよいでしょう。
- 新入社員:450~600
- 昇格・昇進:600~800
- 国内企業の転職:600~720
- グローバル企業の転職:730~850
- 外資系企業の転職:800以上
TOEICスコアアップ戦略
私のようにリスニングが苦手な人もいれば、聞くことは問題ないけれど読むのに時間がかかるという人もいるでしょう。TOEICテストのスコアを短期間でアップさせるには、自分の状況に合わせて対策することが重要です。
リスニングセクション
一般的にTOEICのスコアを上げやすいのは、リーディングセクションよりリスニングセクションだと言われてきましたが、共通テストにもリスニングが導入されましたし、個人差が大きくなっていると思います。
リーディングセクション
文法が理解できていない、苦手意識が強い人はリーディングセクションの対策が重要になります。出題の傾向を理解して、練習を繰り返せば効率よくスコアアップにつながるはずです。
TOEICテスト対策
TOEICのスコアアップには、目標や目的を明確にすることが大切です。 「転職のために600クリア」など近い時期に達成したい目標があれば、短期間でのスコアアップが可能です。
英語力を磨くには継続することが大切ですが、TOEICのスコアアップに関しては短めの期間で目標を立てて取り組んでいくのがいいと思います。1年先、2年先の目標ではあまりアップしないように思います。
目標設定
TOEICは正しい方法で、集中して勉強すれば、3ヵ月以内に結果を出せるテストです。 スコア450~600くらいの人であれば、2ヵ月で100~200アップする例は珍しくありません。私は3ヵ月程度で150アップできました。まずは3ヵ月以内の短い目標を設定してみてはいかがでしょうか。
情報収集
自分のレベルに合ったテキストやスクール選びが目標達成に大きく影響します。TOEICには公式問題集がありますので、出題傾向を確認することができます。テキストやスクール選びの参考になります。
TOEICテスト対策講座
オンラインや通信講座でTOEIC対策をするメリットは、自分のペースで効率よく学習を継続できることです。
- いつでもどこでも勉強できる
スマホを使えば、時間や場所を選ばず、移動時間や休憩時間などのちょっとしたスキマ時間に勉強することができます。 - 効率的に復習できる
苦手な問題を集中的に勉強するなど、学習効率を高めることができます。 - 経済的に続けられる
TOEIC対策講座はスコアアップに特化したカリキュラムになっています。 教材を揃えたり、スクールに通学するより経済的に勉強することができます。
英会話スクール
単にTOEICのスコアアップではなく、仕事で英語を使う、海外赴任の予定があるなどの人は英会話スクールで実践的な英語力を身につけることをおすすめします。
- 個人のレベルに合わせてクラスを選べる
初心者から上級者、個人レッスルからグループレッスンなど自分で選ぶことができます。 - 実際に講師と会話ができる
目的やレベルに合わせた講師との会話で英語力を磨くことができます。 - 適切な表現を学べる
ビジネス英語では相手や状況、関係性に合わせて適切な表現を使い分けることが大切になります。
英語研修
人事担当として社員の英語力アップのために対策を考えているという人もいるでしょう。「ビジネスワールドトーク」では、外国人講師では対応できないTOEICの指導ができる日本人講師のマンツーマンレッスンをオンラインで提供しています。外国人講師はハードルが高いという場合におすすめです。
まとめ
英語があまり得意でない人にとって、TOEIC対策は楽なものではありません。 だからこそスコアアップは、集中して進めることをおすすめします。
TOEICは適切なテスト対策をすれば、短期間でもスコアアップできる試験です。私の耳でも最低限のレベルまではスコアを上げることができました。英語を避けてきた人も遅くはありません。
もちろん、ビジネスパーソンの英語力はTOEICのスコアよりコミュニケーションが重要であることは言うまでもありません。ですが、採用や昇進、海外赴任の基準として、多くの企業でTOEICのスコアが導入されています。
はやめに対策して、目標スコアをクリアしておく方が安心です。TOEIC対策をして、キャリアの可能性を広げてみてはいかがでしょうか。
管理系人材のキャリアアップ戦略
①キャリアアップを目指せる資格を見極める
②教育訓練給付制度(資格取得に使える支援)を知る
③転職・就職に有利な士業資格を取る
④転職で必要とされるTOEIC対策をする
⑤キャリアアップ転職の戦略を立てる
⑥秘密保持・競業避止義務に注意する
人事部門の転職で有利な資格についてはこちらの記事でご紹介します。
キャリアコンサルタントの資格についてはこちらの記事でご紹介します。
参照:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会