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人事部で働くには?多様化する雇用形態とキャリア

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人事部門は、企業の成長を支える重要な部門の一つです。採用、労務管理、教育研修、組織開発など社員が入社してから退職するまでの業務を一貫して担当します。

人事の仕事に興味を持つ人は多いですが、実際に人事部門ではどのような社員が働いているのでしょうか?

ここでは、「人事部で働きたい」と考えている人に向けて、人事部で採用する社員の雇用形態とその特徴、キャリアの進め方についてご紹介します。

人事部で働く社員の雇用形態

人事部では、さまざまな雇用形態の社員が働いています。自分のライフスタイルやキャリアプランに合った働き方を選べる可能性が高いといえます。

  • 正社員
  • 契約社員
  • 派遣社員
  • パート・アルバイト
  • 業務委託(社員ではない)
  • インターンシップ
  • 再雇用

未経験から人事を目指す場合は、派遣や契約社員として経験を積んだり、アルバイトやインターンで業務に触れてみるのもよい経験となるでしょう。

正社員を目指す場合は、資格取得やスキルアップも重要です。

正社員(フルタイム)

いわゆる正社員は雇用契約に期限がなく、定年までの形態です。幅広い業務を担当し、組織の成長に貢献することが求められます。

給与や評価など秘密性の高い個人情報を扱うので、人事部で最も多い雇用形態です。

  • 企業と直接雇用契約を結び、長期的に勤務する
  • 企業の経営方針に沿った人事戦略を担う
  • 福利厚生や昇進の機会が充実している

メリット

  • 組織の中核としての役割を果たせる
  • キャリアアップの機会が豊富
  • 企業の成長を支えるやりがいがある

デメリット

  • 労務管理などの専門知識が必要となる
  • 業務範囲が広く、負担が大きい場合がある
  • 労働トラブルの対応がある

向いている人

  • 安定した雇用を求める人
  • 長期的なキャリア形成をしたい人
  • 企業の経営に関わるような仕事を目指したい人

人事部のキャリアパスについては、こちらの記事でご紹介します。

人事部のキャリアパス:成長と昇進のステップ
この記事では、人事部の業務とどのようなステップでキャリアを築いていくのかについてご紹介します。

限定正社員

限定正社員は、勤務地や職務内容、労働時間などが通常の正社員よりも限定された条件のもとで雇用される形態の正社員です。

限定正社員は、転勤やフルタイム勤務が難しい人にとって、柔軟な働き方を実現できる仕組みとなっています。

国内・海外に多くの支社や支店がある企業では、地域採用現地採用される人事社員は多くいます。

  • 転勤がなく、特定の地域で勤務する
  • 特定の業務に限定してスペシャリストとして勤務する
  • 正社員より短い所定労働時間で勤務する

メリット

  • ワークライフバランスを重視した働き方ができる
  • 専門性を高めながら安定した雇用を得られる
  • 転勤を気にせず、ライフステージに合わせた働き方ができる

デメリット

  • 業務範囲が限定されるため、ゼネラリストとしてのキャリア形成が難しい場合がある
  • 通常の正社員と比べて給与水準が低い場合がある
  • 他の正社員との間に待遇の差が生じることで、社内の一体感が損なわれる可能性がある

向いている人

  • 転勤はせずにキャリアを築きたい人
  • 仕事とプライベートの両立を希望する人
  • 特定の業務に特化して働きたい人

限定正社員に考えられるキャリアの進め方

→特定の業務でスペシャリストを目指す
→いわゆる「正社員」に転換する

契約社員

契約社員は、正社員とは別の条件で雇用される形態です。原則として、フルタイムで契約期間や業務内容が正社員と異なることが多くなっています。

専門性の高い業務に従事することが多く、即戦力として期待されます。契約更新や正社員登用の可能性もありますが、将来的なキャリアプランを考慮することが重要です。

全体として契約社員そのものがあまり多くはないので、人事部門としても割合が多いということはないでしょう。

  • 期間を定めた雇用契約
  • 特定のプロジェクトや業務を担当

メリット

  • 正社員と比較すると採用されやすい
  • 福利厚生が適用される場合が多い
  • 契約期間内は解雇されにくい
  • スキルや経験を積み、正社員登用のチャンスがある

デメリット

  • 契約期間が定められているため、更新されない可能性がある
  • ボーナスや退職金が支給されない場合が多い
  • 昇進の機会が限られる

向いている人

  • 一定期間、人事の仕事を経験したい人
  • 未経験から人事のキャリアをスタートしたい人
  • 人事の特定分野に関わりたい人

契約社員に考えられるキャリアの進め方

→契約社員から正社員登用を目指す
→契約社員での経験を活かして転職を目指す

派遣社員

派遣社員は派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業の指揮命令下で働く形態です。柔軟な働き方ができる一方で、企業の意思決定に関与しにくく、長期的なキャリア形成が難しい場合があります。

人事部の雇用形態として、正社員のほかでは派遣社員が占める割合が高いと思います。採用アシスタントや人事事務などの業務が多く、経験を積んで正社員を目指す人もいます。

  • 派遣会社に雇用され、派遣先企業で働く
  • 派遣期間が決まっていて、更新の可能性がある

メリット

  • 柔軟な働き方ができる(勤務地や勤務時間の選択がしやすい)
  • 自分のスキルや経験に合った職場を選べる
  • 企業との直接雇用ではないため、問題があった場合は派遣会社がサポートしてくれる

デメリット

  • 雇用の安定性が低く、契約終了後の仕事の保証がない
  • 企業の福利厚生を受けられないことが多い
  • 同じ仕事をしていても正社員より給与が低い場合がある

向いている人

  • 柔軟な働き方を求める人
  • さまざまな企業で経験を積みたい人
  • 人事の業務を試してみたい人

派遣社員に考えられるキャリアの進め方

→正社員への切り替えも可能(紹介予定派遣など)
→派遣先で経験を積み、他企業でのキャリアアップを目指す

パート・アルバイト

パート・アルバイトは、契約期間や勤務時間が短く、単発などで働く形態です。比較的簡単な事務作業が中心に行います。

人事部は個人情報を扱う業務が多いので、アルバイト・パートが長期的に採用されるということはあまりないでしょう。

  • 短時間勤務で働ける
  • 書類整理や事務サポートが中心

メリット

  • 未経験でも採用されやすい
  • 学業や家庭と両立しやすい

デメリット

  • 給与が時給制のため、収入が安定しにくい
  • 昇給や昇進の機会はほとんどない

向いている人

  • 人事の仕事を学びながら働きたい人
  • 将来的に正社員を目指すために経験を積みたい人

パート・アルバイトに考えられるキャリアの進め方

→正社員・契約社員への登用の可能性もある
→人事経験を活かして転職を目指す

業務委託(フリーランス・コンサルタント)

業務委託は、経験豊富な人事の専門家が企業の課題解決を支援するケースが多いです。

自由な働き方が可能ですが、安定した収入を得るためには実績とネットワークの構築が必要になり、自己管理能力も求められます。

  • 企業と雇用契約を結ばず、業務ごとの契約を締結する
  • 採用代行や人事コンサルティングなど特定分野を担当する

メリット

  • 自由な働き方ができる(勤務時間や勤務地の制約がない)
  • 収入の上限がなく、スキル次第で高収入が可能
  • さまざまな企業と契約できるため、多様な経験を積める

デメリット

  • 収入が不安定で、案件が途切れるリスクがある
  • 企業の福利厚生や社会保険が適用されない
  • 契約内容によっては業務負担が大きくなる可能性がある

向いている人

  • 人事経験が豊富で独立したい人
  • 自分のスキルを活かして働きたい人
  • フレキシブルな働き方を求める人

業務委託に考えられるキャリアの進め方

→企業からの案件を増やし、独立事業を拡大する
→人事コンサルタントとして複数の企業と契約する

インターンシップ

インターンシップとは、学生が企業で一定期間働くことで、実務経験を積むことができる制度です。人事部では、採用活動や労務管理、社員研修、組織開発などの業務を学ぶ機会があります。

  • 短期のインターンシップ(数日から数週間)
  • 長期のインターンシップ(数ヵ月以上)

経験できる可能性のある業務

  • 採用サポート:面接調整、説明会の運営補助、応募者対応
  • 労務管理補助:社員の勤怠管理
  • データ分析・資料作成:採用や人材開発に関するデータ収集と分析

メリット

  • 大学の授業では学べない実践的なスキルを身につけることができる
  • 人事の仕事が自分に合っているかを見極める機会になる
  • インターン経験があることで、他の就活生と差別化が図れる

デメリット

  • インターンの目的によっては、無給のケースがある
  • 重要な業務には関われず、単純作業が中心になることもある

インターンシップで考えられるキャリアの進め方

→インターン先の企業で正社員として採用される
→インターン経験をアピール材料として他企業に入社する

再雇用社員

多くの企業では、定年退職後の社員を再雇用する制度を導入しています。人事部においても、豊富な経験と専門知識を持つ再雇用の活用が進んでいます。

  • 若手社員の指導や面接官などを担当する
  • 給与計算や勤怠管理のサポートをする
  • 新入社員向けの教育や社内研修の講師を担当する

メリット

  • 長年の経験や培ったスキルを活用しながら働ける
  • 定年後も一定の収入を得ることができる
  • 企業文化を理解しているため、業務にスムーズに適応しやすい

デメリット

  • 給与が低くなることが多い
  • 期間が限定されている場合がある
  • 新たにスキル習得が求められることがある

人事の仕事に向いている人の特徴

人事部には幅広い業務がありますので、それぞれの業務で求められるスキルは異なりますが、一般的には次のような人が向いているといえます。

コミュニケーション能力が高い人

人事の仕事は、社員や求職者、経営陣と関わることが多いため、円滑なコミュニケーションが求められます。

法律や労務管理に興味がある人

労働基準法や社会保険などの制度を理解し、適切な管理を行うことが求められます。

数字やデータを扱うのが得意な人

採用データや人事評価の分析など、データを活用して組織の課題を改善する能力が評価されます。

誠実で責任感のある人

人事は社員の個人情報や給与など機密情報を扱うため、信頼される存在であることが求められます。

人事部門に向いている人については、こちらの記事で詳しくご紹介します。

人事部門に向いている人とは?担当業務と適性
この記事では、人事部門に向いている人の適性について、人事業務の担当ごとに分けてご紹介します。

未経験からのチャレンジ

人事部で仕事をするために必要とされる資格や経験はありませんので、新卒以外でも未経験から採用されるチャンスがあります。

未経験から人事を目指す場合

  • まずは関連する仕事を経験する(事務職、総務など)
  • 派遣社員や契約社員で人事アシスタントの仕事をする
  • パート・アルバイトで人事業務のサポートを経験する

スキルアップのためにできること

  • 資格を取得する(社会保険労務士、MBA)
  • セミナーやオンライン講座で学ぶ(労務管理、採用戦略)
  • 人事の最新トレンドを把握する(リモートワーク、ダイバーシティ採用)

人事担当者に有利な資格については、こちらの記事でご紹介します。

人事担当者に有利なおすすめ資格:選び方と活用法
この記事では、人事担当者のキャリアアップに有利な資格の選び方と活用法をご紹介します。

まとめ

人事部は、企業の成長に直結する重要な役割を担います。どの雇用形態で働くにしても、業務を理解して、適切に対応できるスキルが求められます。継続的な勉強と経験を積みながら、人事部で活躍できる人材を目指しましょう。

人事部で働いてみたい人の参考になれば幸いです。