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メンタルケア心理士になるには?資格の取り方・活かし方

資格ナビ

相談やカウンセリング業務に役立つメンタルケア心理士の資格をご存知でしょうか?

さまざまなストレスが多い現代社会では、メンタルヘルスに不調を抱える人が増えています。メンタルケアの重要性はこれまで以上に高まり、メンタルケアの知識やスキルは幅広く求められるようになっています。

ハラスメントや過労などが理由のメンタル不調もありますので、産業保健部門と連携して人事担当も対応する場面が増えています。

私も人事部勤務で休職中のフォロー、復職に向けてのならし出社、休職満了後の退職などの対応経験があります。

基本的には職場や産業保健部門で担当しますが、たとえ手続きの対応だけであったとしても、専門的なスキルがあればと感じることが多々ありました。

手続きの対応であっても困っていることや不安な気持ちを聞く機会はありますので。そういった経験からカウンセリングや心理分野に関心をもつようになりました。

ここでは、相談やカウンセリング業務に役立つ知識・スキルとして、メンタルケア心理士についてご紹介します。

メンタルケアの資格

心理系の資格では「臨床心理士」や「公認心理師」などが代表的ですが、資格を取得するには大学や大学院での学びが必要になります。

心理系の資格は社会人が働きながら目指すにはハードルが高いのですが、「メンタルケア心理士」は働きながらでも通信講座で学ぶことができます。

メンタルヘルスとは

まずメンタルヘルスについてですが、メンタルヘルスとは心の健康のことで、メンタルヘルスケアは、心の病を未然に防き、健康な状態に保つための対処を意味しています。

企業では仕事内容や職場環境、人間関係などのストレスから、メンタルヘルスに不安を抱える社員が増えています。

社員のメンタルヘルス不調は、企業の経営に与える影響が大きく、社会的にもメンタルヘルス対策への取り組みの重要性が高まっています。

メンタルヘルスケアの活動

  • 一次予防:未然予防および健康増進
  • 二次予防:早期発見と対処
  • 三次予防:治療と職場復帰、再発予防

メンタルケア心理士とは?

メンタルケア心理士はメンタルケア学術学会が認定する公的資格です。

医療・福祉・教育・産業・公共サービスなどで相談援助やカウンセリング業務に必要となる知識・スキルを証明することができます。

基礎心理学に加え、臨床心理学まで学び、実際に人への関わりや援助ができる知識と技能を習得します。

文部科学省後援の「こころ検定」2級に合格することが資格認定の申請条件となっています。

こころ検定2級に合格して、次のいずれかの条件を満たせば認定を申請することができます。

  1. メンタルケア学術学会指定教育機関においてメンタルケア心理士教育課程(講座受講)を修了した人
  2. 認定心理士の資格保有者、産業カウンセラーの資格保有者等

キャリアでの活かし方

医療・福祉・教育・産業・公共サービスなど幅広い分野で知識とスキルを活かすことができます。

  • 医療分野:病院やクリニックなど
  • 福祉分野:老人福祉施設、自立支援センターなど
  • 教育分野:スクールカウンセラー、教育相談員など
  • 産業分野:人事労務部門、産業保健スタッフなど
  • 公共サービス分野:地域相談所、ボランティアなど

メンタルケア心理士になるには

メンタルケア心理士になるには、こころ検定2級に合格して申請条件を満たすことが必要です。

こころ検定2級

こころ検定は心理学に基づいた体系的な知識・技能を有するかを検定する試験です。

日本学術会議協力学術研究団体メンタルケア学術学会が主催し、文部科学省の後援事業となっています。

基礎心理学を中心にこころのメカニズムを知識として理解し、よりよいこころの環境を作り出せる人を育てることを目的としています。

こころ検定2級をメンタルケア心理士相当としています。

受検資格

制限なし

試験日

年5回の検定受検期間に実施されます。 ※受検申込期間以外の申込みはできません。

試験方法

CBT方式※全国の試験会場(テストセンター)でコンピュータを使用して行われます。

試験内容

  • 精神解剖生理学
  • 精神医科学
  • 心理カウンセリング基本技法

合格基準

正答率70%以上

教育指定校

検定に合格して、検定2級に対応したメンタルケア心理士(R)講座を修了すると、メンタルケア心理士の資格登録を申請することができます。

学習は学会の教育指定校でのみ行われています。

メンタルケア心理専門士になるには

メンタルケア心理士の上位資格として、メンタルケア心理専門士があります。

メンタルケア心理専門士になるには、こころ検定1級に合格して申請条件を満たすことが必要になります。

学科試験(1次)の合格者のみ実技・口述試験(2次)を受検することができます。

受検資格

  • こころ検定2級合格者
  • メンタルケア心理士(R)資格登録者

試験日

1次試験は年3回の検定受検期間に実施されます。 ※受検申込期間以外の申込みはできません。

試験方法

  • 1次試験:学科試験(CBT方式)
  • 2次試験:会場試験

学科試験の内容

こころ検定2級の分野全般に加え、以下のこころ検定1級の分野から出題されます。

  • 精神医科学緒論
  • 面接技法
  • 応用生活心理学
  • 心理カウンセリング技法
  • 精神予防政策学

学科試験の合格基準

正答率70%以上

実技・口述試験

出題範囲内容についての口述試験およびカウンセリング技能に関する実技

教育指定校

こころ検定1級の合格とこころ検定1級対応のメンタルケア心理専門士(R)講座修了で資格登録の申請を行うことができます。

学習は学会の教育指定校でのみ行われます。指定校はメンタルケア心理士と同じです。

メンタルケア心理士の活躍の場

ストレスや精神的な負担を抱える人が増え、メンタルケアの重要性がますます高まっています。メンタルケア心理士の知識とスキルはさまざまな場で活かすことができます。

医療・福祉分野での活用

メンタルケア心理士の資格は、医療機関や福祉施設での活動に役立ちます。

例えば、病院やクリニックでは、患者のメンタルサポートに関わる仕事に役立てることができます。

介護施設では、高齢者が抱える孤独感や不安を軽減するためにカウンセリングの知識を活かして、精神的な安定をサポートすることができます。

企業のメンタルヘルス対策

多くの企業がメンタルヘルス対策を強化しています。職場におけるストレスや人間関係の悩みを抱える社員を支援するために相談窓口の運営や日々の業務で貢献できます。

教育・子どものメンタルケア

学校などの教育現場においても、心のケアができる人材の需要は高まっています。スクールカウンセラーやサポートスタッフとして、子どもや保護者の相談に乗ることができます。

カウンセラー・コーチとしての独立

独立してカウンセリングの仕事を行うこともできます。個人でカウンセリングルームを開設したり、オンライン相談を提供することで、多くの人のメンタルケアに貢献できます。

資格を活かした副業・ボランティア活動

本業とは別に、副業やボランティア活動として資格を活かす方法もあります。例えば、地域の相談員として活動したり、NPO団体でメンタルヘルスに関する支援を行ったりすることができます。

資格取得のメリットと注意点

適切なサポートをするために資格取得後も、経験を積みながら学習を続けて、より実用的なスキルとして活かしていくことが重要です。

メリット

  • 専門的な知識やスキルを習得できる
  • 信頼性が高まる
  • キャリアの幅を広げることができる

注意点

  • 実践的な経験も重要(資格取得後も継続的な学習が必要)
  • 自分の知識を過信しすぎない(正しい理論に基づく対応が重要)

メンタルケア心理士の資格勉強

メンタルケア心理士の資格を取得するために、教育指定校の講座を受講すると、検定の試験対策と資格申請の条件を満たすことができます。

資格の取得期間

4ヵ月から半年程度の学習期間が必要となります。基礎知識などがなく、はじめて心理学を学ぶ人であれば8ヵ月程度の学習期間があると安心でしょう。

こころ検定の教材

テキストのみの販売は行っていませんので、こころ検定2級対応のメンタルケア心理士講座で学ぶことになります。 講座では心理学はもちろん身体構造を学ぶために一般的医学も学びます。

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まとめ

メンタルヘルス対策の重要性は年々高まっています。医療職ではない人でもメンタルヘルスにかかわることが増えた人もいるのではないでしょうか。

知識があまりないまま対応したことで心配になったり、もっとこうすればよかったなどと感じたことがあるかもしれません。

メンタルケア心理士の資格は、カウンセラーを目指す人だけでなく、一般企業における人事労務やメンタルヘルスに携わる業務、またセルフケアにも活かせる知識とスキルを習得できます。

資格を取得してからも学びを続けることで、より多くの場面で知識やスキルを活かせるようになるでしょう。キャリアの可能性を広げる参考になれば幸いです。

参照:厚生労働省、メンタルケア学術学会こころ検定公式サイト

試験情報は変更される場合がありますので、最新情報は試験実施機関の公式サイトをご確認ください。