社労士事務所の集客に情報発信は欠かせません。
事務所を開業して、「ホームページは作ったけれど、情報発信はこれから…」という人もいるのではないでしょうか?
ホームページを積極的に営業ツールとして活用するのであれば、ブログで情報発信していくことをおすすめします。
ブログは社労士の専門性や人柄を伝えるツールとなり、信頼構築や集客にもつなげることができます。
ここでは、ブログを使った情報発信のメリットから、ブログのテーマ選び、運用方法について解説します。
なぜ社労士事務所にブログが必要なのか?
社労士は労務管理や社会保険に関する専門家です。多くが企業向けの業務ですので、一般的な知名度は高いとはいえません。
社労士の業務に、どのようなメリットがあるのか必要な人に届いていない可能性がありますので、ブログの情報発信によって、必要な人に社労士のメリットについて情報を届けることができます。
ブログを始めるメリット
ブログは営業ツールとして上手に活用できれば、事務所の運営に大きく貢献できます。
メリット①
✓専門性をアピールできる
ブログ記事を通じて、 「社労士のサポートで、どんなメリットがあるのか」 という情報を発信することで、潜在的な顧客にアピールできます。
メリット②
✓SEO対策に効果がある
検索エンジンは更新性や情報量を評価します。ブログで継続的に情報を発信することで、ホームページの検索順位アップが期待できます。
良質のブログ記事を増やしていくことで、検索エンジンの評価が上がると、 集客にもつながります。
メリット③
✓顧客との信頼関係を構築できる
最新の法改正情報や手続きのポイントをブログ記事でわかりやすく解説することで、事務所サイトを訪問した人に有益な情報を提供できます。
役立つ情報の提供を続けることによって、 「この事務所なら信頼できる」 という印象を持ってもらいやすくなります。
ブログ記事の効果的な書き方
ブログ記事は、社労士が提供するサービスのメリットを伝えるものですから、既存の顧客や潜在的な顧客にとって有益で、わかりやすい内容を発信することが重要です。
ターゲット読者を明確にする
社労士事務所のブログを訪れる人は、 企業経営者、人事担当者などが中心です。
ターゲット層のニーズに合ったテーマを選びましょう。
テーマの例
ブログは「ターゲット層が知りたいこと」に応える形で書くのがポイントです。
- よくある労務相談
- 法改正の解説
- 助成金の紹介と注意点
- セミナーや相談会のお知らせ
- 事務所の理念・自己紹介
- よくある質問と回答
- 社労士が伝えたい最新ニュース
- 事務所の取り組み
- 支援の事例
- 地域の活動 など
記事の構成を考える
ブログ記事は、次のような構成がわかりやすいとされています。
- タイトル(読者の関心を引くもの)
例:「20○○年の社会保険改正ポイントと実務対応」 - 導入(問題提起と記事の概要)
例:「社会保険の改正は毎年のように行われています。本記事では20○○年の改正点を解説し、企業がどのように対応すべきかをお伝えします。」 - 本文(具体的な解説や実務のポイント)
・法律改正の具体的な内容
・社労士ができるサポート
・企業が取るべき対応策 - まとめ(読者に行動を促す)
例:「企業にどのような影響があるのか詳細は、当事務所までご相談ください。」
社労士事務所のブログの始め方と基本ステップ
ブログはWordPressで始めるのが、初心者にはおすすめです。
WordPressはCMS(ウェブサイトのコンテンツ管理システム)のなかでも、圧倒的なシェアを誇ります。
士業にとっては、ホームページを構築するためだけでなく、日々の運用でのメリットが大きく、私もWordPressを使って、社労士事務所のホームページを作成・運用しました。
- 簡単に更新できる
コードの知識がなくてもページの追加・修正が可能です。 - 豊富なデザインテーマがある
プロフェッショナルなデザインを簡単に適用できます。 - プラグインによる拡張性が高い
問い合わせフォームやSEO対策など、さまざまな機能を追加可能です。 - コストパフォーマンスが高い
自社で管理すれば、外注するよりコストを抑えられます。
ステップ1|WordPressを設定する
WordPressを使って、ブログ記事を作成するには、WordPressのセットアップが終わっていることが前提になります。
WordPressの事前準備が終わってから、ブログ記事の作成に進むようにしてください。
- ドメインを取得する
- レンタルサーバーの契約をする
- WordPressをインストールする
WordPressを初めて操作する人は、入門書などを確認しながらカスタマイズするとスムーズに進められると思います。
ステップ2|ブログ記事を作成する
WordPressには「投稿」と「固定ページ」という2種類のページタイプがあります。
投稿は、ブログ記事などを作成する機能で、時系列で整理されます。頻繁に更新される情報発信などのページ作成に向いています。
固定ページは、時系列に左右されないコンテンツを作成するための機能です。事務所概要やお問い合わせページなど、あまり更新されない内容に向いています。
ブログ記事は「投稿」で作成していきます。
「投稿」の特徴
「投稿」は「カテゴリー」や「タグ」に分類したり、アーカイブページを持つことができます。
カテゴリー
「カテゴリー」は投稿を分類できる機能です。
WordPressの管理画面にログインして、左側のメニュー「投稿」→「カテゴリー」から追加できます。
カテゴリーはいつでも追加できますが、ブログを始めるときに、大まかな分類は考えてからスタートした方がよいでしょう。
社労士であれば、提供するサービスや情報発信するテーマなどのカテゴリーを作るとわかりやすいと思います。
タグ
「タグ」はカテゴリーよりもさらに細かく、キーワードで投稿を分類することができます。
例えば、「労務管理」のカテゴリーに「残業」のタグ付けをするなどのように使えます。
管理画面のメニュー「投稿」→「タグ」から追加できます。
ステップ3|ブログ記事を投稿する

WordPressの投稿は、「タイトル」「本文」「カテゴリー」「アイキャッチ画像」が基本スタイルです。
実際にブログ記事を作成して、公開してみましょう。
①タイトルを入力する
管理画面のメニュー「投稿」→「新規追加」でページを開き、「タイトルを追加」の部分をクリックして入力します。
②本文を入力する
タイトルを入力したら、下に「段落」でブログ記事を入力していきます。
ブログの効果を最大化するためには、 コンテンツの質・読者の興味を引く工夫 などが重要です。
③カテゴリーを選ぶ
記事の内容に合ったカテゴリーに分類します。画面右のサイドバー「投稿」タブ→「カテゴリ」から選択できます。
タグ付けする場合も画面右の「投稿」タブから行います。「投稿」→「タグ」で「新規タグを追加」します。
④アイキャッチ画像を設定する
「アイキャッチ画像」を設定すると、投稿記事の上に画像が表示されます。記事の内容に合った画像を設定することで、読者に興味を持ってもらいやすくなります。
画面右の「投稿」タブ→「アイキャッチ画像」→「アイキャッチ画像を設定」をクリックして、「ファイルを選択」します。
⑤ブログ記事を公開する
画面右上の「公開」ボタンをクリックすると、記事が公開されます。
「表示(プレビュー)」機能で、公開前に実際の表示を確認することができます。公開しない場合は、「下書き保存」をクリックします。
ステップ4|定期的に更新する
ブログは 「定期的な更新」 が重要です。更新頻度があまりに低いブログだと、読者に「情報が古い」と思われたり、Googleの検索結果で評価されにくくなる可能性があります。
更新頻度の目安
- 最低でも 月1〜2回 の更新を目標にする
- 余裕があれば 週1回の更新を意識する
- 労働関連の法改正やニュースが発表されたら早めに記事を投稿する
忙しくて更新が難しい場合は、 事前に記事を作成して、WordPressの予約投稿機能を使って公開することもできます。
ステップ5|画像や図表を活用する
社労士関連のブログ記事は、法律や手続きに関する専門的な内容が多いので、 読者が理解しやすいように視覚的な要素を取り入れると読みやすくなります。
- イメージ画像
アイキャッチ画像や記事内のイラスト - グラフや図表
法改正や手続きを比較・対比する表 - チェックリスト
適切な労務管理や社内規定の見直し項目
画像素材サービスについては、「士業サイトに写真を設定しよう!おすすめ画像素材サービス」の記事でご紹介します。
ステップ6|内部リンクを活用する
内部リンクとは、ブログ内の他の記事へリンクを貼ることです。
これにより、 読者の回遊率が上がり、サイト滞在時間が延びるので、SEO(検索エンジン対策)にも効果があるとされています。
- ブログ記事の中で関連する他の記事を紹介する
- 「関連記事」や「おすすめ記事」 の欄を作る
- 過去の記事をリライト(加筆修正)して、新しい記事へリンクを追加する
ブログで社労士事務所の集客につなげるには?
ブログ記事は公開して終わりではありません。
次のように活用すれば、事務所の信頼性向上や集客につながりやすくなります。
SNSでシェアする
ブログを書いたら、SNSでも周知することで、より多くの読者に情報を届けることができます。
記事を共有し、 読者層を広げていくこともサイト運営の取り組みの一つです。
活用のポイント
- 記事を投稿したらSNSでシェアする
- 適切なハッシュタグを活用する(#社労士 #法改正 #労務管理 など)
- 簡潔な紹介文を添える
- ターゲット層に合ったSNSを選ぶ
SNSだけでなく、メルマガを活用してブログ記事を配信するのも効果的です。
問合せやコメントを活用する
ブログは情報発信だけでなく、 コメント欄を開放したり、お問い合わせフォームを設置したりすることで、 潜在的顧客との接点を増やせます。
読者とのコミュニケーション方法
- コメント欄を設置し、質問に回答する
- 記事の最後に「ご相談はお気軽に」と促す
- FAQ記事を作成し、「よくある質問」にまとめて回答する
「労務相談が増えているテーマ」を記事にすれば、同じ課題を抱える読者から問い合わせがくる可能性が高まります。
読者の関心が高い質問をピックアップして、新しいブログ記事を作成するのも効果的です。
記事のリライトと分析をする
ブログは、定期的に見直しと改善を行うことが必要です。
記事を改善するポイント
- 古くなった情報を更新
- 検索順位が低い記事をリライト
- アクセス解析を行い、どの記事が人気か把握
「Google Analytics」と「Google Search Console」を設定することで、どの記事がよく読まれているのかをチェックできます。
公開した記事が検索結果の2ページ目に表示されている場合、 タイトルや見出しを改善したり、新しい情報を追加したりすると、検索順位が上がり、1ページ目に表示されるようになる可能性があります。
ブログ運用チェックリスト
ブログを運用するために必要な項目を段階ごとに確認してみましょう。
✅運用の方向性を決める
項目 | チェック |
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ブログの目的を明確にしている | □ |
書くテーマ(カテゴリ)を3〜5個に絞っている | □ |
毎週水曜日など、更新スケジュールを決めた | □ |
ブログネタ帳(相談内容や時事など)を準備した | □ |
✅記事作成のチェック
項目 | チェック |
---|---|
ターゲット(誰に向けた記事か)を意識して書いた | □ |
タイトルに検索されそうなキーワードを含めた | □ |
「見出し+本文+まとめ」で構成した | □ |
専門用語には簡単な説明をつけた | □ |
改行や箇条書きで読みやすく整えた | □ |
アイキャッチ画像を設定した(無料素材OK) | □ |
関連記事への内部リンクを貼った | □ |
✅運用・活用のチェック
項目 | チェック |
---|---|
SNSでも記事を紹介した | □ |
メルマガや名刺などにも記事URLを活用した | □ |
Google Search Consoleで検索状況を確認した | □ |
次回以降の記事ネタ候補を考えている | □ |
月ごとのアクセス状況を分析・改善している | □ |
まとめ|社労士事務所の情報発信はブログで始めよう!
ブログを上手に運用することができれば、事業の運営に大きく貢献します。
「誰に向けて、どのような情報を発信するのか」を明確にして、定期的に更新することで、効果的なウェブマーケティングが可能になるでしょう。
「ブログを始めたいとは思っているけれど…」という人は、まず簡単な記事から投稿してみてはいかがでしょうか。続けていくことで、成果につながっていくはずです。
ブログの効果はすぐには実感できないかもしれません。 定期的な更新、記事の共有、分析、改善など、多角的に取り組みながら継続することが重要です。
ビジネスの運営に貢献できるブログ記事の参考になれば幸いです。
士業サイトのWebページ作成順序については、こちらの記事で詳しくご紹介します。
