社労士事務所のホームページは、クライアントとの信頼性に大きく影響する重要なツールです。
事務所の集客方法はいくつかありますが、ホームページの役割は、大きくなり続けています。独立開業するのであれば、避けては通れないものになっているといえます。
事務所サイトを自分で作るのであればもちろんのこと、プロに依頼する場合であっても、ウェブサイトの情報(コンテンツ)の内容は自分で考えなければなりません。
私は社労士事務所のホームページを自分で作りましたので、コンテンツはいろいろ考えに考えて、1ヵ月以上はかかったと思います。
ネット上にある士業事務所のホームページを見ていると、シンプルなものであれば自分も簡単にコンテンツを決められだと思いませんか?
ですが、実際に取り掛かるとそうでもありません。
コンテンツを作成することは、事務所の方向性や士業としての目標を改めて確認する作業にもなりますので、じっくり取り組むことをおすすめします。
ここでは、社労士事務所のウェブサイトを作成した経験から、事務所サイトに必要なコンテンツと、その内容について詳しくご紹介します。
事務所サイトの情報(コンテンツ)
士業事務所のホームページでは、サイトに来た人が求める情報をわかりやすく提供することが重要です。
事務所の方向性や目的に合ったコンテンツを提供することで、信頼性を高め、集客につなげることができます。
訪問者の問題解決→ブランディング
事務所サイトに必要なコンテンツ
ウェブサイトを訪問する人には、必ず目的があります。例えば、社労士事務所のサイトに来る人は、どのようなときに検索するのでしょうか?

法改正があったみたいだけど、どんな内容かな?

就業規則を作るので、社労士に頼みたい

急に社員を増やしたので、労務管理がうまくいっていない
事務所サイトを訪問した人の目的に応える情報=コンテンツが必要になります。
コンテンツの例
- 代表者のメッセージ
- 事務所の概要
- サービスの内容
- ノウハウ
- 事例・実績
- ブログ・コラム
トップページ
事務所のトップページは、多くの場合、訪問した人が最初に目にするページであり、事務所の第一印象を決める重要な部分です。
トップページには視認性が高く、直感的に事務所のメッセージが伝わる内容にすることが重要です。
まず、事務所の理念やキャッチコピーを配置して、訪問者が求める情報へスムーズに誘導できる構成にしましょう。
例えば、「スタートアップの成長を労務管理のプロがサポート」「助成金申請の無料相談受付中」といった訴求ポイントを強調することで、興味を引き、問い合わせにつなげる効果が期待できます。
具体的な内容
- 事務所のコンセプトや理念
- 提供サービスの概要
- 実績や特徴(「○○業界に特化」「○○件以上の実績」など)
- お問い合わせへの誘導
サービス案内
事務所で対応できるサービスを具体的に紹介するページです。
サービス案内のページでは、サービスの内容をわかりやすく説明して、それぞれのメリットを具体的に伝えましょう。
例えば、「就業規則の作成」であれば、「企業の実情に即したルール作りをサポートして、労働トラブルを防ぐ」といったように、具体的なメリットを伝えることが重要です。
また、単なる業務内容の説明ではなく、「どのような課題を抱えた企業に向いているのか」を提示することで、訪問した人の共感を得やすくなります。
具体的な内容
それぞれのサービスについて、具体的なメリットや対応できる範囲を記載して、依頼の流れを説明すると親切です。社労士事務所であれば、対応できる次のような業務について掲載します。
- 就業規則の作成・変更
- 労務相談・コンサルティング
- 労働・社会保険手続き
- 助成金申請サポート
- 給与計算
- 顧問契約 など
料金案内・料金表
料金案内や料金表は、訪問した人が事務所のサービスを検討するときに重要な要素です。
料金が不明瞭だと、問い合わせを躊躇してしまう可能性がありますので、顧問契約、スポット業務、相談無料などを明確に記載しましょう。
「初回相談無料」「助成金申請は成功報酬制」など、利用者にとってのメリットを強調するのも有効です。
また、相場よりも高い場合は、「サービスの質」「実績」「付加価値」などの理由を示し、納得感を持ってもらうようにします。
料金の相場は調べればわかるのですが、個人的には料金設定がなかなかの悩みどころでした。私は安くするのも高くするのも自分に金額をつけているような気がしてしまい、難しかったです。
最初の料金設定は、サービスの内容や市場の相場から標準的な金額で決定すればいいと思います。
とはいっても、後から値上げするのは難しい場合もありますので、自分なりの戦略で進めてください。
料金の透明性を確保するため、料金表を掲載すると親切です。
具体的な内容
- 初回相談無料の有無
- サービスごとの料金プラン
例:顧問契約の料金、スポット対応の費用 - 追加費用が発生するケースの説明
お客様の声・実績紹介
お客様の声や実績紹介のページは、訪問者に安心感を与え、事務所の信頼度を向上させる役割を持ちます。実際のクライアントの声や事例を紹介することで、信頼性を高めることができます。
開業前に副業などで実績を作っておくのも選択肢です。
具体的な事例を交えながら、「労務管理体制を見直したことで従業員の定着率が向上した」など、成果を伝えると説得力が増します。
実名が難しい場合でも、業種や会社規模を明記すると、同じ立場の経営者にとって参考になり、問い合わせにつながる可能性が高くなります。
具体的な内容
- 企業規模や業種ごとの成功事例
- クライアントの感想
事務所概要(代表挨拶・スタッフ紹介)
事務所概要のページは、訪問した人に「この事務所に相談して大丈夫そうだ」という安心感を持ってもらうことが重要です。
代表挨拶では、社労士としての経験や専門分野、事務所の理念を具体的に伝えると効果的です。
独立開業するときには、事務所としてアピールできるような実績がないと思いますので、前職での経験や副業での実績などを掲載します。
また、顔写真を載せることで信頼性が向上し、問い合わせのハードルを下げる効果が期待できます。
職員を雇用するようになったら、スタッフ紹介として、資格や担当業務に加えて、「どのような相談が得意か」「趣味や人柄」などを記載すると親しみやすくなります。
信頼性を高めるため、事務所を紹介しましょう。
具体的な内容
- 代表者の経歴・メッセージ
- 事務所の理念やビジョン
- スタッフ紹介
- 事務所の所在地・連絡先
ブログ・コラム
ブログやコラムは、情報発信としても、SEO対策の観点からも有効なコンテンツです。
労働関連の法改正や助成金情報などの最新トピックを発信することで、訪問した人に有益な情報を提供し、サイトの価値を高められます。
また、「社労士が教えるハラスメント対策」「社員が定着する労務管理のポイント」といった実務に役立つ内容を掲載すると、リピーターの獲得にもつながります。
定期的に更新することで、訪問した人に有益な情報を届けるとともに、専門性のアピールにも有効です。
具体的な内容
- 労働関連の法改正についての情報
- 人事・労務に関する課題と解決策
- 助成金の最新情報
- よくある質問と回答
- 労務管理の用語解説
お問い合わせ・無料相談フォーム
お問い合わせのページは、サイトに訪れた人が迷わずに連絡できるよう、シンプルでわかりやすい構成にすることが重要です。
入力する項目は最小限に抑えると、気軽に問い合わせしやすくなります。
「メール返信は24時間以内」「電話相談も対応可能」などの情報を明記すると、問い合わせのハードルが下がる可能性があります。
また、問い合わせしてからの流れを説明しておくと、訪問した人は連絡しやすくなります。
訪問した人がスムーズに問い合わせできるように、わかりやすいフォームを設置しましょう。
具体的な内容
- 問い合わせ後の流れ
- 必要な入力項目の最小化(名前、メールアドレス、相談内容など)
- 電話相談の受付時間を明記
コンテンツ作成のポイント
ウェブサイトの内容は、単なる情報提供ではなく、サイトを訪れた人にとって「価値のある情報」を発信することが重要です。
ターゲットを明確にする
誰に向けて情報を発信するのかを明確にしましょう。ターゲットを絞ることで、より目的に合ったコンテンツを作成できます。
- 中小企業の経営者向け
「従業員の労務管理で困っている」「助成金を活用したい」 - 企業の人事担当者向け
「人事評価制度を導入したい」「勤務形態を見直したい」 - 個人向け
「年金の相談をしたい」「労災の申請で相談したい」
専門用語をかみ砕いて説明する
社労士の業務は専門用語が多いので、訪問した人にもわかりやすい言葉を使いましょう。
例:就業規則の説明
行動喚起を明確にする
訪問した人に次のアクションを促すため、わかりやすいボタンやリンクを設置しましょう。
ボタンやリンクが適切に配置されていれば、問い合わせ率の向上が期待できます。
- 「無料相談はこちら」
- 「お問い合わせフォームへ」
- 「料金表を見る」
SEO対策と集客の工夫
ウェブサイトの検索順位を上げ、より多くの人に訪問してもらうためには、SEO対策が必要になります。
ただし、地域や広告費などによって検索順位は変わってきますので、自分なりに対策して結果につながるかといえば、そうでもありません。
かけられる時間や費用に合った対策をして、場合によってはプロに頼むのも選択肢のひとつだと思います。
SEO対策を意識しながらコンテンツを作るには、単にキーワードを盛り込むだけでなく、検索意図に合った高品質な内容にすることが重要です。
例えば、「就業規則の作成方法」や「助成金の申請条件」といった具体的な疑問に答える記事を作成して、訪問者の満足度を高めると効果的です。
さらに、SNSなどを活用して、最新の労務情報や事務所の取り組みを発信することで、ターゲット層への認知度向上を図ることができます。
Googleマップへの登録も有効で、地域の企業からの問い合わせにつながる可能性があります。
キーワードを適切に盛り込む
検索されやすいキーワードを選び、タイトルや見出しに含めると効果的です。
ただし競合も多いので、地域と組み合わせるなど、自分の事務所がヒットしやすいワードを選ぶことが重要です。
例:社労士関連のキーワード
- 「社労士」「労務相談」+○○市
- 「就業規則作成」「社労士」+○○県
- 「助成金申請」「社労士」+○○区
定期的な記事更新
ブログやコラムを活用し、定期的に新しい情報を発信することで、検索エンジンからの評価が向上するといわれています。
モバイル対応(レスポンシブデザイン)
スマートフォンでも見やすいデザインにすることで、ユーザビリティを向上させると、離脱率を低減できます。
まとめ
社労士事務所のウェブサイトは、訪問した人に「信頼」と「価値」を提供する場です。
集客方法のひとつとして欠かせないものになっていますので、適切なコンテンツを掲載して、訪問した人に満足してもらえるサイトを目指しましょう。
社労士活動を支えるサイト作りの参考になれば幸いです。
①ホームページ作成の手順を知る
②掲載するコンテンツを決める
③WordPressの事前準備をする
④Webページ作成の順序を確認する
⑤サイトタイトルを決める
⑥サイトに事務所概要ページを作る
⑦サイトにお問い合わせページを作る
⑧サイトにサービス案内ページを作る
⑨サイトのトップページを作る
⑩サイトにブログ記事を作る
事務所サイトの作成をプロに頼むのであれば、ココナラなどのスキルマーケットを使ってクリエイターを探すことができます。