社会保険労務士の営業活動において、パンフレットや資料は重要なツールのひとつです。社労士の仕事は、口頭ではわかりにくいものも多いですよね。
顧客の関心を引くためには、視覚的にもわかりやすパンフレットや資料、チラシを作成することが重要です。
ここでは、社労士事務所のパンフレット・資料・チラシの作成におけるポイントや効果的な活用方法についてご紹介します。
社労士事務所のパンフレット・資料・チラシ
パンフレットや資料には、事務所のサービスを正しく伝えて、顧客に安心感を持ってもらう役割があります。
パンフレット・資料の目的
開業したての営業活動では、パンジレットや資料を使って、事務所が提供できるサービスを知ってもらう必要があります。
潜在顧客へのアピール
社労士事務所のパンフレットは、新規顧客の獲得において重要なツールです。パンフレットを通じて事務所のサービスや強みを伝えることで、顧客の関心を引き、相談や契約へとつなげることができます。
既存顧客へのサービス説明
既存顧客に対しても、定期的な情報提供は効果的です。例えば、新しい法改正に関する説明資料や、助成金に関する情報を提供することで、顧客との関係を強化できます。
信頼性の向上
わかりやすく整った資料を用意することで、事務所の信頼性を高めることができます。
効果的なパンフレット
社労士そのものの知名度があまり高いとはいえませんので、事務所が提供するサービスをわかりやすく伝えて、メリットを理解してもらうことが重要です。
事務所の強みを明確にする
社労士事務所によって、得意分野や専門が異なります。強みを簡潔に伝えることで、顧客の関心を引くことができます。
- 特定業界に特化したサービス(例:建設業、介護業など)
- 助成金申請の実績
- 労務コンサルタントとしての強み
視覚的にわかりやすいデザイン
情報を詰め込みすぎず、見やすいデザインにすることが大切です。特に専門用語が多くなる業務では、視覚的な工夫が重要です。
- 箇条書きやアイコンを活用する
- 適度な余白を確保する
- 図やイラストを活用する
シンプルで分かりやすい文章
できるだけ専門用語を使わず、わかりやすい言葉で説明することが重要です。簡潔で直感的に理解できる文章を心がけましょう。
×「労働基準法に基づく36協定の締結について」
○「残業時間の上限を決めるための取り決め(36協定)について」
資料作成のポイント
資料は、それぞれの目的に応じた内容を作成することが重要です。
目的に応じた資料の種類
社労士事務所で活用できる資料には、さまざまな種類があります。
- サービス案内の資料
事務所の概要や提供サービスを説明 - 助成金の解説資料
申請の流れや要件をまとめたもの - 労務管理ガイド
労働や社会保険に関する情報を整理 - セミナー・研修用資料
企業向けのハラスメント対策研修など
法改正の情報をわかりやすく整理
法改正の情報をわかりやすく伝えるような資料も有効です。中小企業では、経営者や人事担当者にとって、実務に直結する情報が求められます。
- 比較表:改正前と改正後の違いを明示
- チェックリスト形式:企業が取るべき対応を整理
- Q&A形式:よくある質問をまとめる
デジタル化の活用
資料のデジタル化が進み、紙をいやがる経営者も少なくありません。実際、私は訪問先で資料を出して「紙なんか持ってこないでよ」と言われたことがあります。
業種や世代などを考慮して、効果的に情報を届ける工夫をしましょう。
- PDF形式での配布
- スライド資料の作成
- 動画コンテンツの活用
パンフレット・資料の活用方法
パンフレットや資料は、訪問先で使用する以外にも上手に活用して、集客につなげることが重要です。
相談会やセミナーでの配布
パンフレットや資料は、相談会やセミナーでの配布資料として有効です。参加者に渡すことで、後から見返してもらえる可能性が高まります。
事務所サイトやSNSでの活用
作成した資料を事務所サイトに掲載することで、より多くの顧客に情報を提供できます。また、SNSで一部の内容を紹介することで、関心を持ってもらうことも可能です。
DMやメールでの送付
ターゲットとなる企業へダイレクトメールやメールマガジンを送るときに、資料を添付することで興味を持ってもらいやすくなります。
チラシ作成の目的
チラシはコストを抑えつつ、ターゲット層に直接アプローチできる有効な手段です。パンフレットや資料とは違い、限られたスペースのなかで、「相談したい」と思わせる内容にすることが重要です。
目的ごとの内容にする
目的によって、チラシに記載する情報やデザインが変わってきます。そのため、ターゲット層を明確にして、適切な内容を盛り込むことが重要です。
- 新規顧客の獲得
企業や個人事業主向けに社労士の業務をPR - 既存顧客への追加サービスの案内
助成金申請や労務管理の見直し提案 - セミナーや相談会の告知
無料相談会などのイベントへの集客
効果的なチラシ作成
チラシは一目で伝わるデザインが求められます。デザインのポイントを押さえ、受け取った人が興味を持つように工夫しましょう。
目を引くキャッチコピー
ターゲットの関心を引くフレーズを大きく配置すると効果的です。
シンプルで見やすいレイアウト
- 文字の詰め込みすぎを避け、適度な余白を取る
- 重要なポイントは太字や色を変えて強調
- 箇条書きを活用し、内容を整理する
視覚的要素を取り入れる
- グラフや図解でサービスのメリットを伝える
- 相談の流れをイラストで表現する
- 事務所の写真やスタッフの顔写真を掲載し、信頼感を持たせる
必須情報を明記する
チラシには、次のような情報をわかりやすく記載しましょう。
提供するサービス内容
社労士事務所が対応可能な業務や特に強みとしている分野など
実績やお客様の声
実績数や提供したサービスでの効果など具体的な事例を紹介すると、信頼感が高まります。
事務所情報と問い合わせ先
事務所名、所在地、電話番号、メールアドレス、QRコードを活用し、事務所サイトやSNSアカウントに誘導
チラシの活用方法
チラシが作成できたら、ターゲットに確実に届ける方法を考えましょう。
ポスティングやDM(ダイレクトメール)を活用
- 近隣の中小企業や個人事業主に直接配布する
- 名刺交換した企業や既存顧客にDMで送付
セミナーやイベントで配布
- 労務管理に関する無料セミナーを開催し、参加者に配布
- 異業種交流会や商工会議所のイベントで配布し、新たなつながりを作る
WEBと連携させる
- チラシにQRコードを掲載し、特設ページやLINE登録へ誘導
- SNSでチラシのデザインを投稿し、広く認知を図る
効果測定と改善を繰り返す
チラシの効果を最大限に高めるためには、配布後の反応を分析して、改善を行うことが重要です。
効果的な配布方法を工夫することで、より効果の出るチラシにすることができます。
反応をチェック
- 問い合わせ時に「チラシを見た」と言った人の割合を確認
- QRコードのアクセス数を解析
フィードバックを反映
反応が薄い場合は、キャッチコピーやデザインを変更することも必要です。相談会の参加率が低ければ、特典(初回無料相談など)を付けるなど工夫して成果を見ます。
チラシは定期的に内容を見直して、効果的な広告手法を追求していきましょう。
パンフレット・チラシの外注
パンフレットやチラシは自分でも作れますが、効果的なデザインやキャッチコピーが得意とは限りません。パンフレットやチラシの制作を外注することで、業務効率をアップさせることができます。
また、質の高いパンフレットやチラシを活用することで、より多くの顧客に情報を届けることができるようになります。
プロによる高品質なデザイン
デザインの専門家に依頼すれば、視認性が高く、わかりやすいレイアウトのパンフレットやチラシを作成できます。
社労士事務所の業務では、わかりにくい情報を簡潔に整理し、伝えやすい形にすることが重要です。
業務負担の軽減
本業に集中するためにも、デザインやレイアウトの作成を外部に委託することで、時間と労力を削減できます。
スキルがないまま作成すると、時間がかかるだけでなく、効果の低いものになってしまう可能性があります。
マーケティング効果の向上
パンフレットやチラシは、単なる事務所紹介のツールではなく、顧客獲得の手段として活用できます。
マーケティングのノウハウを持つデザイナーに依頼すれば、ターゲット層に響く内容やキャッチコピーを盛り込むことができます。
外注する時のポイント
目的やターゲットを明確にして、実績のある外注先を選ぶことで、効果的な宣伝が可能になります
目的とターゲットを明確にする
何のために作成するのか、誰に向けて配布するのかを明確にしましょう。
例えば、「企業向けの労務相談サービスをPRしたい」といった目的を定めることで、より効果的なデザイン・内容を提案してもらえます。
実績のある業者を選ぶ
士業関連のパンフレットやチラシを制作した実績のあるデザイン会社や印刷会社を選ぶと安心です。
内容の確認とフィードバック
外注するとしても、最終的な内容のチェックは事務所側で行う必要があります。専門的な用語の誤りや、事務所の理念が正しく反映されているかを確認して、必要なフィードバックを行います。
適切な外注先を選ぶ
外注するにはいくつかの方法があります。適切な外注先を選ぶことで、効果的な広報ツールを手に入れることができます。
デザイン制作会社
効果の高いパンフレットやチラシを作成できます。特に士業向けの制作実績がある会社を選ぶと、業界特有のニーズを反映したデザインを提案してもらえます。
士業事務所向けに特化したデザイン会社なら、専門知識を活かした効果的なチラシ・パンフレットを制作できます。
印刷会社のデザインサービス
印刷会社の中には、デザインから印刷まで一貫して対応するサービスを提供しているところがあります。コストを抑えつつ、高品質な印刷物を作成したい場合におすすめです。
フリーランス
スキルマーケット(ココナラ)などのサービスを利用すると、個人のデザイナーやフリーランスに依頼できるので、柔軟な対応が可能です。比較的リーズナブルな価格で発注でき、複数の提案から選べるメリットがあります。
まとめ
社労士事務所にとって、パンフレットや資料、チラシは重要な営業ツールです。新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係強化にも役立ちます。
作成するときには、事務所の強みを明確にして、視覚的に分かりやすいデザインやシンプルな文章を心がけましょう。また、デジタルツールを活用することで、より効果的に情報を届けることができます。営業活動の参考になれば幸いです。
①社労士事務所のオフィスを決める
②社労士の名刺を作る
③社労士のメールアドレスを作る
④社労士事務所の電話番号を作る
⑤社労士事務所のコンテンツを決める
⑥社労士事務所のホームページを作成する
⑦社労士事務所のウェブサイトを運営する
⑧社労士事務所のパンフレットを作る
⑨社労士事務所のロゴを作る(適宜)
⑩事務所名やロゴの商標登録をする(適宜)