社会保険労務士試験は、毎年4万人を超える人が受験しています。合格率は約6~7%と低く、毎年多くの人が不合格になってしまいます。
「時間をかけたのに受からなかった」
「過去問はやったのに本番で解けなかった」
こういった結果には、共通するパターンがあります。
では、不合格になってしまう人に、どのような共通点があるのでしょうか?
ここでは、不合格になる人の「NGパターン」と「改善ポイント」をわかりやすくご紹介します。
社労士試験に不合格になる人のパターン
合格する人がやっていて、不合格になる人がやっていないこととは?
7つのNGパターンについて、改善ポイントとともに説明していきます。
- 学習計画がざっくりしている
- インプットを中心に学習している
- 苦手科目をそのままにしている
- 本試験に向けた実践力が足りない
- 教材をよく変える
- モチベーションに依存しすぎる
- 法改正・白書対策ができていない
学習計画がざっくりしている
学習計画を立てていなかったり、計画は立てたけれど、ざっくりしずぎている人がいます。
不合格になる人に最も多いのが、「とりあえず始める」「がむしゃらにできるだけ勉強」してしまうパターンです。
社労士試験は8科目10分野の幅広い範囲から出題されますので、無計画に進めると挫折しやすいので注意が必要です。
- 「1日2時間やる」だけで内容や目標が決まっていない
- テキストを順番に読んでいくだけで問題を解いたり復習しない
- 月→週→日単位で勉強する内容や目標を明確にする
- 科目ごとの学習の進捗を「見える化」する
- 学習スケジュールをカレンダーやアプリで管理する
インプット中心でアプトプットが少ない
テキストを順番に熟読して、過去問題集はまた始めていないという人がいます。
テキストの内容は覚えても、アウトプットが不足していると「解けない知識」になってしまいます。
- テキストを3周したのに模試が全然解けなかった
- 過去問題集は模試を受けてから焦って始めた
- テキストの1周目から読んだ範囲の過去問を解くようにする
- 間違えた問題をピックアップしてできるようになるまで復習する
- テキストと過去問題集は3周以上、過去問は目標10周
苦手科目の対策をしていない
選択式・択一式のどちらも1科目でも基準点を下回ると不合格になります。「苦手な1科目の1点が試験の合否を分ける」ということがあり得ます。
苦手科目を得意科目にする必要はなく、落としてはいけない問題を確実に取りに行くということが重要です。
- 苦手科目を後回しにして、特に対策しない
- 白書・法改正の対策をほとんどしていない
- 苦手科目は勉強時間の最初など集中力が高いときにやるようにする
- 苦手科目の解けない問題は解けるまで反復学習する
- 白書・法改正は読むだけでなく、問題も解く
本試験に向けた実践力が足りない
社労士試験は、午前に選択式80分、午後に択一式210分と、かなり長い時間をかけて行われる試験です。
本試験では集中力や時間配分など実践力が結果に大きく影響します。準備不足だと、知識があってもうまく問題に対応できません。
「模試で見たことない形式に焦ってしまった」「時間が足りず択一式が途中で終わった」というような失敗は、本番に慣れていないことが原因です。
- 過去問題集は解けるようになったが実践形式では解いていない
- 模試は受けていない
- 本試験3ヵ月前からは本番を意識して問題を解くようにする
- 模試は少なくても1回は受け、できれば2回以上受ける
- 模試は必ず復習して、弱点の把握やミスのパターンを分析する
教材をよく変える
不安から、いろんな参考書や講座に手を広げたくなる気持ちはよくわかります。ですが、それが逆に中途半端になってしまう原因でもあります。
信じた教材を何度も繰り返すことが重要です。合わない教材を早い時期に変えるのはありですが、ある程度、勉強が進んでから変更するのはNGです。
何年もシリーズで出版されているようなテキストは、どれを使っても合格に必要な知識を身に付けることができるはずです。
- 「このテキストわかりづらいかも」と思って他の教材に移る
- いろいろな情報を見て焦り、教材を増やしてしまう
- 基本テキストは1冊に絞る
- 他の教材は過去問題集、模試を受けて白書・法改正対策をすればOK
- 重要なのは「教材の量」ではなく「学習の量」
モチベーションに依存しすぎ
「やる気が出たら勉強する」というスタイルでは、社労士試験の合格水準に到達できません。
やる気のないときに勉強しても頭に入らないのはわかりますが、気分に左右されない勉強のリズムを早めに作ることが重要です。
- やる気に依存して勉強するときとしないときの幅が大きい
- 勉強時間がバラバラで習慣化できない
- 「朝出社前に30分」「通勤時間は勉強に充てる」など習慣にする
- アプリなどで勉強の進捗を管理する
法改正・白書の対策をしていない
実は社労士試験の合否を左右するのが、「法改正」「白書・統計」の分野です。
直前期に対策する人が多いので、対応する時期の問題よりは、対策を間違えると失敗する可能性が高くなるといえるでしょう。
法改正があれば必ず出題されると思って、対策しましょう。
- 白書・統計などの情報を確認していない
- 法改正は知っているけれど問題を解いたりはしていない
- 本試験の3ヵ月前には法改正の対策を始める
- 白書・統計は出題パターンを押さえて過去問を研究しておく
- 資格スクールなどで「直前対策講座」を受講するのもあり
不合格と合格の早見表
項目 | 不合格になる人 | 合格する人 |
---|---|---|
学習計画 | ざっくりしている | 逆算型の学習スケジュール |
勉強方法 | インプット中心 | アプトプット重視 |
苦手科目 | 苦手科目を放置 | 弱点を把握して復習 |
模試活用 | 模試を受けても受けっぱなし | 模試受験/復習に活用 |
教材の数 | 教材を渡り歩く | メイン教材を繰り返す |
自己管理 | 継続することが難しい | 勉強のリズムができている |
法改正対策 | 直前に情報を見るだけ | 情報を収集して問題を解く |
まとめ|社労士試験は落ちない人になること!
社労士試験は、正しい努力をしなければ合格は難しいでしょう。不合格になった人も努力していなかったわけではないと思います。
不合格になる人のパターンを理解して、そのパターンを避ける、改善することが合格への近道です。
✅チェックリストで自己診断してみましょう。
質問 | YES/NO |
---|---|
学習計画はざっくりしていて、勉強の進捗は調子によって変動する | □ |
テキストはよく読んで覚えているけれど、過去問題集はあまり解いていない | □ |
苦手科目を後回しにして、そのままにしている | □ |
模試を受けていない、受けたけれど復習はしていない | □ |
教材はいろいろ揃えたけれど、どれも中途半端になっている | □ |
やる気のあるときとそうでないときのムラが多い | □ |
白書や法改正の対策には力を入れていない | □ |
いかがでしょうか。どのくらいチェックがついたでしょう。当てはまるものが多ければ改善が必要です。
逆に1つずつ改善できれば、合格に近づいていけます。改善できそうなポイントから見直してみましょう。
「落ちない人」になることこそ、合格への第一歩です。
社労士試験の難易度については、こちらの記事でご紹介します。
