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社会保険労務士が事務所を開設するには?オフィスの決め方と選び方

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社会保険労務士が独立開業するときには、事務所を開設することになります。

社労士は事務所が所在する地の社労士会に入会する必要がありますので、事務所をどこにするかは、社労士として最初の大きなステップといえます。

「どこにコストをかけるか」「どんな働き方をしたいか」「クライアント対応の方針」「将来の展望」などからオフィスを決めることになります。

ここでは、社労士事務所を最初に開設するときのオフィスの決め方と選び方についてご紹介します。

オフィスの決め方

社労士事務所を初めて開設するときのオフィス選びはとても重要です。多くの場合は、次のいずれかの方法で事務所を開設すると思います。

  • 自宅で開業する
  • レンタルオフィスを利用する
  • 個人事務所を構える
  • 共同で事務所を利用する

社労士が事務所を開業するには所在地の社労士会に入会し、届出をする必要があります。

自宅であれば住所は決まっていますが、他はどこにすればよいか迷う人も多いのではないでしょうか。

事務所で提供するサービス内容やクライアント、また、短期的な目標と長期的なビジョンを設定することで、最終的に事務所をどこにすればよいか定まってくると思います。

立地やスペース、作業環境などを検討して、自分の仕事のやり方に合った場所を選びましょう。

自宅で開業する場合

手軽にできるのが自宅での開業です。ただし、打ち合わせなどをする場合には不便が生じることがあります。また名刺に記載する住所が自宅になってしまいます。

メリット

  • コストが抑えられる
    賃貸料や光熱費の負担がなく、初期投資を最小限にできる。
  • 通勤時間がゼロ
    時間を有効活用でき、ストレスも軽減される。
  • 柔軟な働き方が可能
    プライベートの時間も大切にしながら仕事ができる。

デメリット

  • 信用度の問題
    自宅住所を事務所所在地にすることに抵抗を感じる人もいる。
  • オンオフの切り替えが難しい
    仕事とプライベートの境界が曖昧になりがち。
  • 来客対応が困難
    クライアントと対面での打ち合わせが必要な場合、不便に感じることもある。

向いている人

  • 初期費用を抑えて独立したい人
  • 既に人脈があり、訪問対応中心の営業スタイルの人
  • 家庭との両立を優先したい人

レンタルオフィスを利用する場合

小さな個室を借りたり、仕切られているブースなどを利用することができます。住所利用や電話応対などのサービスを契約することもできます。私も利用しました。

メリット

  • 初期投資が少ない
    設備やインフラが整っているため、すぐに業務を開始できる。
  • 住所の信頼性が向上
    オフィスの住所を使用でき、クライアントからの信用を得やすい。
  • 設備・サービスの利用が可能
    受付や会議室などの共用スペースを利用できる場合が多い。

デメリット

  • ランニングコストがかかる
    自宅と比べると、毎月の固定費が発生する。
  • カスタマイズが制限される
    内装やレイアウトの自由度が低い。
  • 他の利用者との兼ね合い
    共用スペースが混雑することがあり、静かな環境を確保しにくいことも。

向いている人

  • 初期費用を抑えて営業活動を始めたい人
  • 立地や設備を重視したい人
  • 流動性の高い働き方をしたい人

個人事務所を構える場合

開業するために賃貸で事務所を構えるというのは一般的なケースといえるでしょう。ただし、費用がかかりますので、開業当初からとなると負担が大きいと感じることもあると思います。

メリット

  • 独立性が高い
    自分のペースで業務を進めることができ、他人の影響を受けにくい。
  • ブランディングしやすい
    看板を設置したり、オフィスの雰囲気を自社のブランドに合わせてカスタマイズ可能。
  • クライアント対応がしやすい
    専用の会議室を設けるなど、来客対応をスムーズに行える。

デメリット

  • コストが高い
    賃料、光熱費、通信費などの固定費がかかる。
  • 開業時のハードルが高い
    契約やオフィスの整備に時間と手間がかかる。
  • リスクが伴う
    契約期間内に業績が悪化すると、賃料負担が経営の負担になる可能性がある。

向いている人

  • 安定した収入の基盤がある人
  • 本格的な経営を目指す人
  • 職員を雇用してチームでの業務を視野に入れている人

共同で事務所を利用する場合

他士業と合同事務所を設立して、共同で事務所を借りるというケースもあります。

メリット

  • コスト削減が可能
    賃料や光熱費を他の利用者と分担できる。
  • ネットワークが広がる
    他の士業と協力しやすく、相互に顧客を紹介し合うことも可能。
  • ビジネスの相乗効果
    他の専門家との意見交換を通じて、知識やスキルを高められる。

デメリット

  • プライバシーの確保が難しい
    共用スペースでは機密性の高い業務がしづらい。
  • 相性の問題
    人間関係がスムーズでないと、業務に影響を及ぼす可能性がある。
  • 独立性が低い
    自分専用のオフィスではないため、ブランドイメージの確立が難しい。

向いている人

  • 同業者や他士業とのネットワークを活用したい人
  • 初期費用を抑えつつ外部対応を重視したい人
  • 一人での開業に不安がある人

オフィスタイプの比較表

項目自宅レンタルオフィス個人賃貸共同賃貸
初期費用ほぼ無し低い高い中程度
月額費用最小限低い高い中程度
(費用を分担)
信頼性低め中程度高いやや高い
顧客対応難しい会議室等応接スペースを設置応接スペースを共有
セキュリティ低め個室型なら高い自由に管理配慮が必要
独立性高い中程度非常に高いやや低い

オフィスの選び方

自宅以外を事務所にする場合、自分の開業スタイルと将来のビジョンを明確にして、その上で無理のないオフィスを選ぶことが大切です。

レンタルオフィスの選び方

レンタルオフィスは即日利用可能なところも多く、スピーディーに開業準備を進めたい人におすすめです。契約に柔軟性があり、独立初期のリスクを抑えることができます。

具体的にどこのオフィスにするかは、次のような手順で選んでいきます。

①立地を検討する

クライアントへのアクセス、交通の便、自分の通勤などを考慮し、候補のエリアを絞ります。都心部やビジネス街であれば、信頼感のある拠点として活用できます。

②タイプを決める

レンタルオフィスには、完全個室型、シェア型、コワーキング型などがあります。個人情報を扱う社労士業務には、セキュリティやプライバシーを確保できる個室型が向いています。

③提供サービスを確認する

住所利用の可否、郵便物の受取代行、電話応対サービス、会議室の予約方法など、レンタルオフィスによって利用できるサービスが異なります。必要なサービスが含まれているか確認しましょう。

④見学と比較検討をする

候補が決まったら、実際にオフィスのなかを見学して、設備や清潔感、騒音、スタッフの対応、周囲の環境などを確認します。

⑤契約内容を確認する

料金体系、契約期間、解約条件、追加費用(会議室利用料・複合機利用料など)を確認してから、契約に進みます。

⑥必要な備品を用意する

自分専用のPC、印鑑、名刺、書類保管用のロッカーやキャビネットなど、最低限の業務ツールを用意します。共有設備との使い分けも考えます。

⑦開業の準備をする

オフィスの住所を名刺やホームページなどに反映するなど、開業の準備を進めていきます。

士業におすすめのレンタルオフィス

リージャス(Regus)は、グローバル展開しているレンタルオフィスブランドで、日本国内にも多くの拠点を持っています。

落ち着いた内装と充実した設備が特徴で、士業事務所にも適しています。私も契約していましたが、とてもよかったです。

特に開業時はかかってくる電話の対応も大変ですが、リージャスでは事務所名で対応してもらえますので、安心して外出ができます。

またオフィスのタイプがレンタルオフィス、バーチャル・オフィス、コワーキングスペースとありますので、事業の成長に合わせて柔軟にオフィスを選ぶことができます。

  • 敷金・礼金は不要
  • ビジネス街や中心地に立地
  • オフィス家具・内装が完備
  • 住所・電話番号の利用可能
  • 秘書サービスあり

> レンタルオフィスのRegus (リージャス)

賃貸事務所の借り方

賃貸事務所の契約は期間に余裕をもって進める必要があります。予算と相談しながら、無理のない計画を立てましょう。物件探しから契約まで1〜2ヵ月は見込んでおくとスムーズです。

①立地を選ぶ

利便性を考慮して、駅近、主要幹線道路沿い、商業施設周辺などから候補を選びます。社労士業務の特性上、クライアントが訪れることも多いため、分かりやすい場所が望ましいといえます。

②物件情報を収集する

不動産ポータルサイト(SUUMO、アットホームなど)や、地域に特化した不動産会社を利用して、情報を収集します。

③内見と比較検討をする

内見するときには、レイアウトの自由度、インターネット回線の有無、空調、電源数、防音性などをチェックします。

④契約交渉と締結をする

賃料の値下げ交渉や、敷金・礼金の減額相談もできる場合があります。契約前には「使用目的」が社労士事務所として認められているか確認しましょう。

⑤内装・設備工事をする

業務に必要なデスク、チェア、収納棚、プリンタなどを設置して、必要に応じて間仕切り工事なども行います。

⑥インフラ整備をする

固定電話、FAX、インターネット回線の契約、必要なオフィスソフトや業務システムの導入も行います。

⑦看板を設置する

事務所名や所在地を示す看板を設置します。名刺やホームページにも住所を記載して、開業に備えます。

まとめ

初めての事務所開設は、しっかりとした準備と計画が求められる一大プロジェクトといえます。

訪問型営業をメインにしたい人なら自宅でも問題は少ないでしょうし、オンラインや訪問中心であればレンタルオフィスも十分です。信頼性やスタッフの採用を検討しているなら賃貸事務所が向いています。

無事にオフィスが決まったら、営業活動やクライアント対応を通じて信頼を積み重ね、事務所の成長を目指しましょう。

事務所選びはとても重要ですが、その先にある営業活動、信頼関係構築の方がずっと重要です。一歩ずつ着実に進めるスタートになれば幸いです。