ホームページができたら、自動的にお問い合わせが来ると思っていませんか?
開業したばかりの社労士事務所にとって、ホームページは大切な「営業マン」のひとりです。ホームページは「作ってから」が本当のスタートです。
私は社労士事務所のホームページを作って、自ら運用することで、お問い合わせにつながるツールに育てることができました。
ここでは、初心者からできる、ホームページ作成後の運用ステップをわかりやすく解説します。
運用に必要な基本知識から、役立つ無料ツール、カンタンなSEO対策まで、今日から実践できる内容をまとめました。
「せっかくホームページを作ったのに、お問い合わせが来ない」「何から始めればいいかわからない」という人も大丈夫です。ホームページを「集客できるツール」に育てていきましょう。
社労士事務所のホームページ運用5つの基本
事務所のホームページができたら、より多くの人に見てもらうために運用していきます。
どんなに見栄えのいいサイトでも、更新されず、情報が古いままだと、信頼を得ることはできません。
ホームページ運用を続けることで、
- 新規顧客への露出が増える(集客)
- 信頼感・専門性を高められる(ブランディング)
- 他事務所との差別化ができる といったメリットが得られます。
サイト構築は外部に依頼した場合でも、運用は事務所内でした方が情報発信などの対応はスムーズでしょう。もちろん、戦略的に外部に依頼するということはありだと思います。
①ブログ記事を投稿する
社労士のホームページを訪れる人には目的があります。
有益な情報を提供して、訪問した人が問題を解決できるサイトにすることが重要です。
ブログ記事は「検索されるキーワード」を意識して作成します。業務に関するトピックを解説するブログ記事であれば、専門性をアピールできます。
- 労働に関する法改正情報
- 労務管理のポイント
- 助成金の種類や活用法
②サービス内容・実績を更新する
開業したてであれば、ホームページを作成したときと内容が変わることもあります。また、開業後の実績があれば、積極的に更新しましょう。
- 実績・事例の紹介
クライアントの事例を紹介するなど、具体的な支援内容を伝えることで、問い合わせにつながりやすくなります。 - FAQ(よくある質問)の設置
「どのようなサービスに対応できるのか?」「費用はどのくらいか?」といった質問をまとめると、ホームページを訪れた人の疑問や不安の解消に役立ちます。
③検索エンジンの対策をする
社労士事務所のホームページが検索結果で上位に表示されるためには、SEO(検索エンジン最適化)が欠かせません。
どんなに有益な情報だと思って発信しても、表示されなければ読んでもらえません。
ターゲットとなる顧客が検索しそうなキーワードを選定し、コンテンツに盛り込みます。
例えば、社労士であれば次のようなキーワードを選びます。
- 「社会保険労務士+労務相談+地域名」
- 「社労士+就業規則作成+地域名」
- 「社労士+助成金申請サポート+地域名」
定期的なコンテンツ更新
ブログやニュース記事を定期的に更新すると、検索エンジンの評価を高めることに役立ちます。
内部リンクの活用
関連する記事やサービスページへリンクを貼ることで、訪問した人の滞在時間を延ばす効果が期待できます。
④SNS・広告・メディアを活用する
ホームページの集客力を強化するために、SNSや広告の活用も検討しましょう。
社労士であれば、所属する社労士会のWebサイトや業界団体などのメディアにURLを掲載するのも有効です。
- SNSの活用
SNSを活用して、ブログ記事の更新情報を発信すると、より多くの人にリーチできる可能性が高くなります。事務所サイトにSNSシェアボタンを設定しておくことも重要です。 - Google広告の活用
「社労士事務所+地域名」「就業規則 作成」などの検索キーワードで広告を出稿し、直接的な集客につなげることもできます。 - メールマーケティング
定期的にニュースレターを配信して、クライアントとの関係性を維持することも有効です。
⑤複数人で管理する
ホームページを運用していくと、スタッフなどチームで管理をしたり、記事をライターに依頼することが出てくるかもしれません。
WordPressで作成した場合は、使用するユーザーを追加して、複数人で管理することができます。
ユーザーの追加
管理画面のメニュー「ユーザー」→「新規追加」からユーザーを登録できます。ユーザーは権限に合わせたグループに所属します。
- 管理者:全ての操作ができる(運営者)
- 編集者:投稿や固定ページ、カテゴリー、タグなどを作成できる
- 投稿者:投稿の作成や編集、公開ができる
- 寄稿者:投稿の作成や編集はできるが、公開はできない
社労士事務所のホームページ運用に役立つツール
ホームページの運用成果を確認して、分析と改善を継続して行いましょう。
Google Analyticsの活用
Google Analyticsを導入して、アクセス数やユーザーの動向を分析します。
サイトにどれくらい訪問者がいるか、どのページが人気かを把握できます。設定は無料で、今後の改善に役立ちます。
- 1日に何人がホームページを見たかがわかる
- どのページに人気があるか(例:就業規則作成の記事がよく読まれている)
- どんなデバイスから見ているか(スマホ?パソコン?)
- 毎週1回、「アクセス数」と「人気ページ」をざっくりチェックするだけでもOK!
- 特によく読まれているページがあれば、さらに関連記事を作成すると効果的です。
Googleサーチコンソール
「どんなキーワードで検索されているか」がわかる便利ツールです。思わぬ検索ニーズを発見できるので、記事作成にも活かせます。
- 実際に検索されたキーワードが見える
- クリックされた回数・表示された回数がわかる
- ページごとの検索順位がわかる
- 「サーチコンソール」の検索パフォーマンス画面を見る
- よく検索されているキーワードをもとに、新しい記事やページを作成する
- 例:「就業規則 作成 費用」で検索されているなら、費用に関する解説記事を追加する
→ 「ユーザーが本当に求めている情報」を把握できるので、効率的な運用に役立ちます。
Googleビジネスプロフィール
Googleビジネスプロフィールは、無料で登録でき、地域密着型ビジネスには欠かせません。
地元企業の経営者は、「社労士 ○○市」などの検索をすることが多いので、登録しておくと、地図検索やローカル検索で上位に表示されるチャンスが広がります。
- 事務所名・住所・電話番号・営業時間などを登録できる
- 写真やサービス説明を掲載できる
- 口コミ(レビュー)管理ができる
- まずは事務所情報を正確に登録する
- 外観・内観・スタッフ写真などを数枚アップする(信頼感アップ)
- 新しいブログ記事やお知らせを、ビジネスプロフィールにも投稿する
→ 地元の企業や個人が「社労士 ○○市」で検索したときに、目立って表示されやすくなるので、集客効果が高まります。
口コミ管理や写真投稿もできるので、定期的な更新を忘れずに。
社労士事務所のホームページ運用にありがちな失敗と対策
ホームページの運用で、よくある失敗について、当てはまることがあれば、それぞれ対策していきましょう。
失敗1|更新が止まってしまう問題
- 毎回「ちゃんとした記事を書かないと」とプレッシャーを感じてしまう
- 本業が忙しくなり、後回しになってしまう
- ネタ探しに疲れてしまう
具体的な対策
- 完璧を求めない
→ 最初は1000文字程度でもOK。「最近の気づき」「よくある質問」など、短くても意味のある記事はたくさんあります。 - 更新スケジュールを事前に決める
→ 例えば「毎週1回、水曜日に更新」と決めておけば、習慣化しやすくなります。 - 記事ネタのストックを作る
→ あらかじめ5〜10個程度のテーマ(例:「労働契約とは?」「助成金申請時のポイント」)をメモしておくと、迷わず書き始められます。
失敗2|分析をしない問題
- アナリティクスやサーチコンソールの解析が難しく感じて、敬遠してしまう
- 数字を見ても「で、どうすれば?」となってしまう
具体的な対策
- まずは見るだけでOK
→ 最初は「今月何人来たかな?」「どのページが人気かな?」だけを確認すれば十分です。 - 見るポイントを絞る
→ おすすめはこの2つ!
・アクセス数(訪問者数)
・人気ページ(上位3ページくらい) - 結果に一喜一憂しない
→ たとえば「アクセスが少ない=失敗」ではなく、「伸びしろがある!」と前向きにとらえましょう。
失敗3|効果を焦りすぎる問題
- 「ホームページを更新したのに、全然問い合わせが来ない…」と落ち込んでしまう
- 成果が出るまでに時間がかかることを知らなかった
具体的な対策
- 成果が出るまでの目安を知っておく
→ SEO施策やホームページ運用は、効果が出るまでに半年〜1年かかるとされています。焦りすぎず継続することが重要です。 - 小さな成果を喜ぶ
→ 「検索順位が少し上がった」「ブログ経由でサイト滞在時間が伸びた」など、目に見えにくい成長を積み重ねていきましょう。 - 目標を細かく分ける
→ 「半年後に月間アクセス数100人以上を目指す」「半年後に問い合わせ1件以上を取る」など、達成できそうな目標を設定するとモチベーションが続きやすいです。
まとめ|社労士事務所のホームページは育てる意識で!
社労士がホームページを上手に運用できれば、単なる名刺代わりではなく、事務所運営をサポートする集客やブランディングの強力なツールになります。
コンテンツの更新、SNSやメディアの活用、効果測定を行いながら、継続的に改善を重ねることで、より多くの人に見てもらうことができるようになるでしょう。
私はここでご紹介したことは、ほぼ取り組みました。幸い営業ツールとして効果が出るようになりましたが、そこで本業よりもWebサイトの運営の方が面白くなってしまいました。
あくまで本業をサポートするホームページ運用の参考にしていただければ幸いです。