社会保険労務士が事務所を開業をして、成功できるかどうかは営業がうまくいくかどうかにかかっています。どんなに知識があって、専門性が高くでも仕事を獲得できなければ、その能力を発揮することができません。
社労士の資格を取得している人は、基本的に社労士業務の遂行には問題ないはずですので、事務所を軌道に乗せることができるかどうかは営業力が大きく影響する、というよりほとんどだと個人的には思います。
ここでは、開業社労士が案件を獲得して、クライアントと長期的な信頼関係を築くための営業方法についてご説明します。
開業社労士が仕事を獲得する方法
社会保険労務士は、企業の労務管理や労働・社会保険の手続きを行う国家資格です。社労士業務は企業向けが多く、一般的にはあまり知られていないといえます。
そのため、潜在的な顧客層がそもそも社労士の存在や役割を十分に理解していないことがあります。この状況を踏まえても、社労士の営業は重要です。しかし、多くの社労士が抱える課題も「営業方法」です。
社労士の専門知識を持っていても、適切な営業戦略がなければ仕事を獲得するのは難しいのです。
集客と営業
仕事を獲得するためには「集客」と「営業」を行い、クライアントと契約することが必要になります。
私が開業したときには、営業の重要性は理解していたつもりですが、「集客」と「営業」の違いについてあまり考えていませんでした。「集客」は得意でも「営業」は苦手ということを後になって自覚しました。
社労士が効果的に仕事を獲得するためには、「集客」と「営業」の役割を理解して、それぞれの活動をバランスよく実践することが重要です。
集客の方法
集客は、潜在的な顧客に事務所の存在を知ってもらい、興味を持ってもらう活動です。オンライン集客が主流ですが、オフライン集客も有効です。これらの活動により、見込み客を増やすことができます。
具体的な手法として、次のような活動があります。
- オンライン集客
事務所サイトの運営、ブログ記事の作成、SNS発信、メディア活用、広告運用など - オフライン集客
異業種交流会の参加、セミナー・勉強会の開催など
営業の方法
営業は、集客によって得た見込み客と直接コミュニケーションを取り、契約につなげるプロセスです。お問い合わせ対応、個別相談、電話フォロー、訪問営業などの方法があります。営業では、顧客の課題を理解して、最適な解決策を提案する力が求められます。
両方のバランス
集客がうまくいっても営業が弱ければ契約にはつながりませんし、営業力が強くても見込み客がいなければ成果は出ません。集客と営業の両方をバランスよく実践することが、社労士の成功には不可欠です。
営業の重要性
社労士業務は、潜在的な顧客がそもそも社労士の存在や役割を十分に理解していないことがありますので、営業活動では、社労士業務が企業の成長にいかに役立つかを理解してもらうことが重要です。
認知度の向上
社労士が提供できる価値とメリットをターゲット層に伝えることで、サービスへの理解と関心を高めてもらうことができます。
信頼関係の構築
営業活動を通じて、クライアントになるかもしれない企業との信頼関係を築くことができ、業務依頼に繋がりやすくなります。
市場での差別化
同業者との差別化を図るために、社労士としての強みや特徴を効果的に伝えることが重要です。
営業活動のステップ
社労士の営業は、戦略的に活動していくことが求められます。
ターゲットの明確化
社労士として提供するサービスがどのような潜在的顧客に有効なのかを明確にする必要があります。具体的には次のような観点からターゲットを絞り込むと効果的です。
- 特定の業種や業界
建設業、飲食業、介護業、派遣業など - 企業規模
スタートアップ、中小企業、大企業、個人事業主など - 対応地域
地域密着、オンラインを含む全国対応など
サービスの差別化
他の社労士と差別化を図るために、事務所の専門性や強みをアピールしましょう。具体的に提示することで、ターゲット層の顧客に伝わりやすくなります。
- 特定の業種や業界に特化した知識
- 助成金申請の実績
- 迅速な対応力
営業ツールの準備
営業活動において、社労士のサービスを効果的に伝えるためのツールを上手に活用しましょう。
- ホームページ
サービス内容や実績を分かりやすく掲載する。 - パンフレット
セミナーなどで潜在的顧客に配布するための簡潔な資料。 - SNS
専門性をアピールし、潜在顧客との接点を増やす。
アプローチ方法
営業活動では、適切なアプローチが重要です。
- 直接訪問してサービス紹介
地域の企業を訪問して、サービスを紹介する。 - セミナー実施後にサービス説明
セミナーを開催して、潜在的な顧客を集めてサービスを説明する。 - 紹介企業にサービス紹介
既存のクライアントや他士業からの紹介を受けてサービスを紹介する。
フォローアップ
営業活動は一度で終わりではありません。訪問やセミナー後にフォローアップを行うことで、継続的な信頼関係を築きやすくなります。接点を持ち続ける工夫が必要です。
- お礼のメールを送る
- 定期的なニュースレターを配信する
- 再訪問や電話での連絡を行う
営業方法の事例
実際に社労士が行う営業活動で効果が高い例をいくつかご紹介します。
地域密着型のセミナー開催
地元の中小企業を対象に法改正や助成金など関心の高いテーマで無料セミナーを開催します。セミナー参加者に対して個別相談の機会を提供して、仕事の獲得につなげます。
お問い合わせ対応
ブログやSNSを活用して労務管理に関する役立つ情報を定期的に発信します。これにより、ターゲット層での認知度が向上し、企業からの問い合わせにつなげることに役立ちます。
既存顧客からの紹介
既存の顧客に対して、紹介制度を導入します。新たな顧客を紹介してくれた企業に特典を用意することで、顧客ネットワークを広げます。
営業活動を成功に導くためのポイント
営業活動を効果的に進めるために押さえておきたいポイントは次のとおりです。
クライアントの課題を理解する
営業活動では、サービスを押し売りするのではなく、相手の課題やニーズを深く理解することが重要です。
- 社員の離職率の高さに悩んでいる企業には労務管理の重要性を伝える。
- 助成金を活用したいが方法が分からない企業には具体的なサポートを提案する。
長期的な関係構築を意識する
一度の営業で成果が出なくても、継続的な関係構築を目指すことが重要です。潜在的な顧客との接点を持ち続けることで、必要なときに思い出してもらえる存在となる可能性が高まります。
専門知識を活かした信頼の獲得
社労士としての強みは、専門知識にあります。法改正や労務管理に関する最新情報を発信し、専門家としての信頼感を高めましょう。
まとめ
社労士の営業は、ターゲットに合わせたアプローチをして、オンラインとオフラインの両方を活用することが重要です。また、差別化できる戦略を取り入れ、顧客との長期的な関係を築くことで、安定した経営が可能になるでしょう。
営業が苦手な人も活動を見直し、自分ができる方法や事例を積極的に試してみてはいかがでしょうか。より多くの案件を獲得し、クライアントと良好な関係を築く参考になれば幸いです。