副業を解禁する企業が増えていますね。働き方改革の一環として、政府も副業解禁を後押ししています。スキルを活かしたり、独立を目指して副業したいと考える人も増えているのではないでしょうか。
士業や専門スキルを持っている人が独立する前に力試しのために副業で受注・納品などを実際にやってみることはいい経験になると思います。
副業を始めやすい環境になってきているといえますが、本業を続けながらどのような副業をどのようにスタートすればいいのか?
社労士を本業とする人の副業と勤務社労士や社労士試験の合格者がする副業が考えられますが、ここでは勤務社労士と試験合格者に焦点を当てて、副業の始め方と注意点についてご紹介します。
社労士が副業をするには
社会保険労務士は、労働や社会保険の専門家としての国家資格です。社会保険労務士の資格者でなければできない業務があり、独立開業できる資格です。
社労士会に「社会保険労務士」として登録をしなければ、社労士を名乗って業務を行うことはできません。
登録が「開業」社労士でなければ、主体となって各種申請や手続き業務の代行はできませんので、勤務社労士や試験合格者の専門知識を活かしてコンサルティングなどの業務をするということになります。
副業の意義
本業のほかに副業をする目的は、それぞれ違うと思いますが、社労士の副業は次のようなメリットがあるといえます。
ニーズがある
企業が適切に法令を遵守するためには専門家の知識が必要です。特に、中小企業やスタートアップでは人事労務の専門知識を持つ人材が不足しているため、社労士の知識を活かすことができます。
専門性を活かせる
社労士は、日々の労働問題から人事制度まで幅広い業務に対応できる専門家です。社会の変化に応じて、その専門性を活かしやすいといえます。
柔軟に働ける
社労士の副業は案件ごとに契約を結べるものが多く、働く時間や場所をある程度自由に調整できます。リモートで対応可能な業務も多いため、本業との両立も可能です。
副収入を得られる
本業の収入に加えて、副業で収入を得られますので、経済的な安定やさらなるキャリアアップを目指すことができます。
副業できる業務
社労士が副業を始める場合、具体的にはどのような仕事ができるでしょうか。本業や社労士としての登録によって、それぞれできる範囲は変わってきますが、次のような業務は、社労士の専門性を活かして独立にも役立てることができます。
労務コンサルティング
雇用や働き方が多様化、複雑化していますので、企業では新たな労務管理の対応が必要になっています。社労士の知識は、法令を遵守しながら労務管理の最適化を支援することに役立てることができます。
人事コンサルティング
人事制度は、企業の成長や社員の働き方に大きな影響を与える重要な仕組みです。人事制度の企画立案など企業の経営戦略を支援することに、社労士の専門性を活かすことができます。
労働問題に関する相談・アドバイス
労働問題(解雇トラブル、ハラスメント対応など)は、企業が日々直面するリスクの一つです。社労士は専門的な視点から助言を行い、トラブルを解決に導くサポートを行うことができます。
副業の始め方
社労士の専門性を活かして正しく副業を始めるためには、以下のステップを踏むことが重要です。
副業ができるかを確認する
副業については、企業によって禁止や許可制、届出制など規定されていることがあります。 まず、本業の就業規則を確認して、副業ができるかどうかかを確認しましょう。
許可制、届出制であれば、指定の手続きで副業の申請をします。副業が禁止されていなくても、営業上の秘密や機密漏洩の危険性があると判断されれば、認められない場合があります。
本業に重大な損失を与えたような場合には、懲戒処分となる可能性がありますので注意が必要です。
副業の業務を明確にする
どの分野の業務を行うのかを明確にして、対象とするクライアント(中小企業、スタートアップ、個人事業主など)を絞り込みましょう。
副業の案件を獲得する
次のような方法を使って、副業の案件を探します。
- 人脈・ネットワーク
- クラウドソーシング
- SNS・ウェブサイト
副業するときの注意点
副業を認めている勤務先では、副業の経験が本業にもプラスとなることを期待しています。 本業に悪影響を及ぼさないような働き方を心掛けましょう。
時間管理に気をつける
本業と副業を両立するためには、スケジュール管理が不可欠です。本業に悪影響が出ないように業務を進めましょう。
法的リスクに注意する
副業を始める際には、守秘義務を徹底し、本業の利益相反にならないよう注意が必要です。
また、契約書を適切に作成するなどトラブルにならないように気をつけましょう。副業で得た収入は自分で確定申告をする必要があります。
継続的に勉強する
社労士の業務は、法改正や社会的な背景に影響を受けます。常に最新の情報をキャッチアップすることで、クライアントに価値あるサービスを提供することができます。
副業を通じて得られるもの
副業を始める人は、一般的には収入アップを目的としていることが多いでしょう。 もちろん副業で収入を得ることは重要なのですが、本業へのプラスを意識して選ぶと相乗効果でキャリアアップのチャンスも広がります。
副業の効果
社労士の副業は、単なる収入増加だけでなく、次のような効果があります。
- スキルアップ
多様な業務経験を通じて、専門性がさらに磨かれる。 - 人脈の構築
副業を通じて新たなクライアントや同業者とのネットワークが構築できる。 - 将来的な独立の準備
副業が軌道に乗れば、独立開業を視野に入れることができる。 - 視野の拡大
本業だけでは得られなかった知識を得ることができる。
副業の満足度
副業から何を得たいかによって、副業の選び方は違ってきます。 自分の目的に合った副業であれば、満足度も高くなるでしょう。
独立準備のため
独立する前に副業で力を試してみたいという人は、自分の方向性に合った副業を選び、個人事業主の意識で取り組みます。
収入アップのため
低リスクで確実に収入を得られ、無理のない時間で継続できる案件を選ぶことが大切です。
スキルアップのため
本業のスキルを磨くだけでなく、本業とは違う業務を選ぶことで、視点を変えたり、視野を広げることができます。
クラウドソーシングの副業案件
クラウドソーシングとは、仕事を発注するクライアントが不特定多数の人(crowd)に業務委託(sourcing)するという意味です。
案件ごとに報酬が決められていて、小さい単位から取引ができるので、副業としても人気が高くなっています。
クラウドソーシングの仕事は専門性やスキルを活かせる仕事から特にスキルを必要としないものまで幅広くあります。ひとつのジャンルに決める必要はありませんので、自分でやってみたい案件に応募することができます。
受注や納品がうまくいったり評価が高かった仕事で実績を積めば収入がアップしていき、副業から本業にすることもできます。
案件の選び方
クラウドソーシングサイトでは幅広く案件を扱っていますが、専門性を活かして副業したい人には次のような案件が合うと思います。
相談・アドバイス
- 人事・労務コンサルティング
- ビジネス・企業支援
- 本業の業務や業界の知識 など
ライティング
- コピーライティング
- 記事・コラム
- Webコンテンツ
- リライト・校正
- ブログ・メルマガ など
クラウドソーシングサイトの選び方
クラウドソーシングで仕事を探すには、サービスを提供するクラウドソーシングサイトを使います。 スポット案件やスキマ時間にできる仕事もありますので、未経験からでもスタートできる副業を探すことができます。
士業などの国家資格や本業の経験・知識・スキルを活かしたい人は、コンサルティング系の案件から探すことができます。実際に仕事を受注して納品することは独立を目指す人にとっても役立つ経験になると思います。
いろいろなクラウドソーシングサイトがありますが、専門性を活かしたコンサルティング系で探すのであれば、クラウドワークスかランサーズをおすすめします。
クラウドワークス
クラウドワークスは業界最大級のクラウドソーシングサイトです。 仕事の種類は250種類以上。 多くの人が利用しています。
- 業界No.1のユーザー数
- 大企業・政府をはじめ利用企業は97万社
- 会員登録と発注手数料は無料
ランサーズ
ランサーズはクラウドソーシングのパイオニアです。 大企業からベンチャー企業まで多くのクライアントが利用し、経験やスキルに自信がある人におすすめです。
- 多様な仕事のジャンル
- 非公開案件も多数
- 高い受注金額
クラウドソーシングサービスを利用する流れ
クラウドソーシングサービスを利用するには、Webサイトから登録することが必要となります。
会員登録
クラウドソーシングサービスのWebサイトから会員登録をします。 メールアドレスがあれば無料で登録できます。
プロフィールの設定
基本的な情報以外に職歴やアピールできるスキルなどの情報を登録します。
仕事を選ぶ
クラウドソーシングのサイトに掲載されている仕事から自分がやりたい仕事を選び、応募します。 オファーを待つ方法もあります。
仕事の決定
応募した仕事に採用されたら、依頼の内容に沿って、作業を進めます。 指定された納品日までに作業を完了して、納品します。
修正の対応
納品の内容について修正の依頼などがあれば対応します。
報酬の入金
納品の内容について確認が完了すると、指定した口座に報酬が振り込まれます。
副業の法人化
個人で副業をスタートして案件を受注していくと、法人化した方が仕事がしやすいケースが出てくるかもしれません。 信用度は個人より法人の方が高く、なかには法人でなければ契約できない仕事もあります。
また税金の面でも法人化した方がよいケースがあります。 他にも経営者としてのノウハウが身につくことなどが法人化のメリットといえると思います。
法人化のタイミング
個人ではじめた副業で利益が上がるようになると税率も上がります。 法人の税率はほぼ一定ですので、ある一定程度の金額を超えると法人化した方が利益としては有利とされています。
安定して一定の利益を上げられるようになったら法人化するタイミングといえるでしょう。
兼業として事務所を開業
本業は続けたままで、社労士事務所を立ち上げたいというケースもあるでしょう。本業の収入を上回ったところで、社労士を本業とする計画です。
メリット
- 本業の安定した収入
事務所が軌道に乗るまでの収入が安定する。 - リスクの軽減
最初から独立開業するより経済的なリスクが少ない。 - 顧客の開拓
顧客を増やしながら独立準備ができる。 - スキルアップ
独立前に社労士の実務力を磨くことができる。
デメリットと対策
- 時間の確保
オンラインツールを積極的に活用して業務の効率化を図る。 - 業務範囲の選定
兼業として対応するのはスポットやプロジェクト案件にする。 - 信用の獲得
事務所サイトを作るなどブランディングを行う。
兼業しやすい業務
兼業で社労士業務を行う場合、すぐに対応が必要な案件は避けて、比較的時間の融通が利くものを選ぶことがポイントです。次のような業務であれば、緊急対応が少なく、時間調整がしやすいといえます。
- 就業規則の作成・見直し
- 労務相談・コンサルティング
- 研修・セミナーの講師
- 助成金申請のサポート
まとめ
副業を始めることで、新たな知識やスキル、人脈を得たり、視野を広げることができれば本業にもよい影響があるでしょう。収入だけでなく、これからのキャリアにとってもプラスになるはずです。
社労士の副業は専門性を活かして、副収入を得ながらスキルアップを目指せる点に魅力があります。自分に合った副業を見つけるための参考になれば幸いです。
社労士の登録についてはこちらの記事でご紹介します。
ライティングの副業についてはこちらの記事でご紹介します。
参照:厚生労働省「副業・兼業」、クラウドワークス公式サイト、ランサーズ公式サイト