社労士資格取得の教育訓練給付金：種類・条件・支給額・手続き

社会保険労務士の資格勉強をするには、費用がかかりますよね。教育訓練給付制度は、資格取得にかかる費用の一部をサポートしてくれる制度です。

働いていれば、対象となる人が多いので、社労士の資格取得を目指す人にもおすすめです。

ここでは、教育訓練給付制度の概要、条件、支給額、申請手続き、対象となる訓練についてご紹介します。

教育訓練給付制度とは？社会保険労務士はどの対象？

教育訓練給付制度とは、厚生労働大臣が指定する教育訓練を受講して、修了した人に対して、受講のために支払った費用の一部を国が支給する雇用保険の給付制度のことです。

給付金の対象となる教育訓練には、3つの種類があります。

社会保険労務士講座が指定を受けているのは、ほとんどが一般教育訓練です。

一般教育訓練は、資格取得を目標とする講座が対象となる教育訓練です。

社労士講座が該当するのは、ほとんどが一般教育訓練ですので、一般教育訓練を中心に説明していきます。

社労士講座が全て該当するわけではなく、指定を受けた講座だけが対象となります。

一般教育訓練とは

項目	内容
在職中の対象者	・受講開始日において、雇用保険の被保険者期間が1年以上・2回目からは被保険者期間3年以上
離職中の対象者	・会社を辞めてから受講開始日までが1年以内・雇用保険の被保険者であった期間が1年以上
対象となる教育訓練	雇用の安定・就職の促進に役立つ教育訓練
支給額	・教育訓練経費（入学金・受講料）の20％・上限は10万円

※受講料には、受講費のほか、受講に必要な教科書代等は含まれますが、検定試験受験料、補助教材費、交通費、パソコン等は含まれません。

この1年間に妊娠、出産、育児、疾病、負傷などの理由で30日以上受講を開始することができかなったときは、ハローワークに申し出て、適用対象期間を開始できない日数分（最大20年まで）、延長することができます。

支給の手続き

教育訓練の受講修了後、1ヵ月以内に管轄のハローワークへ必要な書類を提出して申請します。

指定を受けている社会保険労務士講座がある主な資格スクールは、次のとおりです。

通学、通信、eラーニングで実施されていますので、希望する学習スタイルで学ぶことができます。

「厚生労働大臣指定教育訓練講座検索システム」より

特定一般教育訓練は、一般教育訓練よりも再就職に有利になるような資格取得を目標とする講座が対象となる教育訓練です。

一般の教育訓練給付よりも拡充した給付金を受け取ることができます。

項目	内容
在職中の対象者	・受講開始日において、雇用保険の被保険者期間が1年以上・2回目からは被保険者期間3年以上
離職中の対象者	・会社を辞めてから受講開始日までが1年以内・雇用保険の被保険者であった期間が1年以上
対象となる教育訓練	速やかな再就職および早期のキャリア形成に役立つ教育訓練
支給額	・教育訓練経費（入学金・受講料）の40％・上限は20万円・訓練修了後1年以内に雇用された場合 →経費の50％（上限25万円）

給付の手続き

給付を受けるためには、受講前から手続きが必要です。

ハローワークで「ジョブカード」の交付を受け、キャリアコンサルタントの記載、一定の書類とともに、受講開始日の1ヵ月前までにハローワークへ提出します。

支給の申請

教育訓練の受講中または受講修了後、管轄のハローワークへ必要な書類を提出して申請します。

特別教育訓練給付金の指定講座

指定を受けている社会保険労務士講座があるのは、2025年5月現在では資格スクール大栄のみです。

専門実践教育訓練は、中長期的なキャリアアップを支援するために、厚生労働大臣が指定した専門的・実践的な教育訓練を受講した場合に、一般の教育訓練給付よりも拡充した給付金を受け取ることができます。

社会保険労務士講座は、対象となっていません。

項目	内容
在職中の対象者	・受講開始日において、雇用保険の被保険者期間が2年以上・2回目からの被保険者期間は3年以上
離職中の対象者	・会社を辞めてから受講開始日までが1年以内・雇用保険の被保険者であった期間が2年以上
対象となる教育訓練	中長期的なキャリア形成に役立つ教育訓練
支給額	・教育訓練経費の50％（年間上限40万円）・条件により追加で最大80％（年間上限64万円）