社会保険労務士の資格に興味はあるけれど、どんな試験かよくわからないので、まずは独学で始めてみたいという人も多いですよね。
社労士試験のテキストや過去問題集はたくさん市販されていますので、独学でスタートすることができます。
社労士が自分に合う資格なのか、合格するまで勉強を継続できるか不安がある人は、経済的に学習を進められる独学が安心でしょう。
社労士試験には独学できる教材は豊富なのですが、いざ、試験勉強を始めてみようとすると、
「たくさんある教材のなかからどのテキストを選べばよいか?」ということに悩む人は多いと思います。
社労士試験は幅広い範囲から出題され、専門用語が多いので、効率的な学習には自分に合ったテキスト選びが重要です。
私は人事部に勤務していて、仕事の後に週2~3回と休日を使っての勉強でしたが、1回の受験で合格することができました。基本的な内容を効率よく学習できたからだと思います。
使った教材は、基本テキスト1冊、過去問題集1冊(一問一答の副教材は直前期に少し使いました)で、ほぼ独学スタイルでした。
ここでは、社労士試験の独学勉強法として、おすすめテキストと選び方のポイント、使いこなし方についてご紹介します。
社会保険労務士試験の独学
社労士試験の勉強は、主に独学や通信・オンライン講座、通学・資格スクールなどですることができます。
そのなかで独学には、次のようなメリットがあります。
- 他の学習法に比較して費用が少なくて済む
- 場所や時間に制限がない
- 自分のペースで学べる
社労士試験の出題範囲
それでは、社労士試験の出題範囲を確認してみましょう。
社労士試験は8科目10分野から出題され、試験は午前に選択式(80分)、午後に択一式(210分)が行われます。
合格基準点は満点の7割以上ですが、試験結果を総合的に勘案して補正が行われます。それぞれの科目ごとに定められ、合格発表日に公表されます。
試験科目 | 選択式 | 択一式 |
---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 1問/5点 | 10問/10点 |
労働者災害補償保険法 (徴収法を含む) | 1問/5点 | 10問/10点 |
雇用保険法 (徴収法を含む) | 1問/5点 | 10問/10点 |
労務管理その他の労働に関する一般常識 社会保険に関する一般常識 | 1問/5点 1問/5点 | 10問/10点 |
健康保険法 | 1問/5点 | 10問/10点 |
厚生年金保険法 | 1問/5点 | 10問/10点 |
国民年金法 | 1問/5点 | 10問/10点 |
合計 | 8問/40点 | 70問/70点 |
独学での学習計画の立て方
独学はモチベーションの維持や情報収集について不安がある人もいると思います。合格を目指すための具体的なステップをご紹介します。
試験の全体像を把握する
社労士試験は幅広い範囲から出題されますので、まず基本テキストの目次などで全体像を確認して、科目や項目ごとの重要度や出題頻度を把握します。
具体的な学習計画を立てる
例えば試験日から逆算して、学習開始からの6ヵ月は基礎学習(インプット)、残りの期間は過去問題集(アウトプット)中心などのようにスケジュールを作成します。
使用する教材を選ぶ
- 基本テキスト:市販の社労士試験対策のテキスト
- 過去問題集:7~10年分の過去問題集
- 副教材:補助としての参考書や問題集(必要であれば)
効率的な独学勉強法
社労士試験に合格するために効率的な勉強法は、次の3ステップです。
基本テキストをマスターする
いろいろなテキストに手を出すのではなく、自分がわかりやすいと思った基本テキストを軸にして学習を進めることをおすすめします。
- 自分にとってわかりやすいと思うテキストを選ぶ
- 試験に出やすい内容を重点的に学習する
- 出題が少ない箇所は思い切って飛ばす
過去問題集を解く
過去問題集を10回以上繰り返して、正解率が8割を超えるようになれば、合格レベルに近くなっていると考えられます。
- 基本テキストと同じシリーズの過去問題集を選ぶ
- 基本テキストで学んだ範囲の問題をやってみる
- 不正解はもちろん正解したところもテキストで復習する
必ず基本テキストとセットにしなければならないわけではありませんが、参照や順番など同じシリーズの方が学習を進めやすいと思います。
模擬試験を受験する
本試験前に資格スクールなどで模擬試験が実施されます。独学でも1回は受験しておくことをおすすめします。
最新の試験傾向を知ることができますので、過去問題と同様にしっかり押さえておきましょう。
- 模擬試験はお試しではなく実力を把握するために受ける
- 間違えた問題はテキストで復習する
- 模擬試験の問題を繰り返す
学習のポイント
私は次の順番で学習を進めました。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 徴収法
- 健康保険法
- 国民年金法
- 厚生年金保険法
- 労務管理その他の労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
社会保険労務士試験のおすすめテキスト
社労士試験の基本テキストは幅広い試験範囲が網羅されているだけでなく、効率的に学習を進めることができるものを選ぶ必要があります。
選び方は、基礎知識や学習経験の有無によって変わってきます。
法律の知識や資格の学習経験、人事労務系の実務経験などを考慮して、自分に合ったテキストを選んでください。
社労士試験のテキスト選び
社労士試験対策の教材はたくさん市販されていますので、次のようなポイントを押さえて選びましょう。
最新版であること
社会保険労務士試験は8科目で10分野から出題されます。
基本はもちろんですが、改正点は出題される可能性が高いので、最新情報を押さえておく必要があります。最新の情報に更新されたテキストを使うことが必須です。
学習経験者が次の年も同じテキストを使うのは、すべての改正点を漏れなく自分で更新しなくてはならないので、不安な方法でおすすめできません。
わかりやすいこと
初めて社労士試験の勉強をする人であっても理解しやすい解説があるかどうかが重要です。ポイントや解釈などの参考情報の多いテキストはおすすめです。
試験範囲の全ての分野が含まれていること
社労士試験の全分野が含まれていることはもちろん、出題頻度の高い重要項目についてより深く学べる構成になっているテキストをおすすめします。
過去問題集があること
社労士の試験対策に過去問題集は必須です。同じシリーズの過去問題集もあるテキストは効率的に学習を進めやすいのでおすすめです。
読みやすいこと
色が少ない方が読みやすい人もいれば、フルカラーで視覚的に理解しやすい方が好きな人もいるでしょう。自分にとって読みやすいテキストを選ぶことが大切です。
みんな欲しかった!社労士の教科書
このシリーズは他の資格でも人気が高く、書店でもたくさん積まれていますね。初めて学習する人にとっても使いやすいテキストだと思います。
初学者も使いやすい
このテキストは初学者向けに作られていて、わかりやすさが人気です。フルカラーの構成で、図解やイラストが多く、視覚的に理解しやすくなっています。
条文の丁寧な説明
専門用語が多い社労士試験ですが、条文の背景や解釈に丁寧な解説が付けられていて、法律初心者でも安心して学ぶことができます。
重要箇所の強調
試験頻出の「重要ポイント」が視覚的に目立つ形で記載されています。強調された箇所やチェックすべき点が明確になっているので、学習する優先順位が自然と分かります。
2025年版のテキスト
出る順社労士 必修基本書
基礎知識のある人や学習経験者におすすめできるテキストです。安心して合格まで使えると思います。
出る順の構成
このテキストの最大の特徴は「出る順」で構成されていることです。膨大な試験範囲から重要ポイントを効率的に学ぶことができます。
重要箇所を明示
各科目で過去の出題や重要なポイントについて明確になっているので、覚えるべき箇所に集中しやすくなっています。
講義動画の視聴
LEC講師陣による「試験分析に基づく傾向と対策」・「科目別導入講義」など、学習に役立つ講義動画が無料で視聴できます。
2025年版のテキスト
ごうかく社労士 基本テキスト
大手スクールのテキストに比べると地味ですが、コンパクトにまとめられていて短期合格を目指す人におすすめです。私はこちらを基本テキストにしました。
初学者から経験者まで対応
初学者から学習経験者まで幅広い受験生に対応したテキストです。わかりやすさと試験に直結する内容が多くの合格者からも支持されています。
バランスのよい情報量
比較的薄く取り組みやすいテキストですが、試験で頻出する重要なポイントを的確に押さえていて、合格までに必要とする情報を1冊で学ぶことができます。
わかりやすい解説
解釈、ポイント、過去問の要旨などが詳細に解説されていて、法律を初めて学ぶ人でもスムーズに進めることができます。過去問との連動で知識が定着しやすいのも好評です。
2025年版のテキスト
それぞれ同じシリーズで過去問題集があります。
テキストの使い方
自分が使いやすいと思ったテキストを選んで、効率よく活用することが重要です。
基本テキストは1冊
テキストは1冊にして、繰り返し学習することで理解が深まります。いろいろな教材に手を出すことはおすすめしませんが、合わないと思ったら早めに見直す方がよいでしょう。
繰り返し学習
まずは目次などで全体像を把握して、そのあと項目ごとに読み進めます。
繰り返し熟読することで理解が深まります。特に出題頻度の高い項目は重点的に学習します。
過去問題集を解く
テキストで学習した範囲の過去問題集を解きます。このインプットとアウトプットを繰り返すことで知識が定着し、実戦力も身につきます。
自分なりの書き込みをする
テキストに自分なりの補足や注意点を書き込むことで反復学習に役立ちます。
テキスト選びの注意点
テキスト選びに失敗しないためには、次のような点に注意してください。
法改正に対応しているか
繰り返しになりますが、試験対策には最新情報が必要になります。最新版で法改正に対応しているものを選びましょう。
学習レベルが合っているか
初めて学習する人と法律の基礎知識がある人、社労士試験の学習経験がある人とでは最適なテキストは変わってきます。自分の理解度に合ったテキストを選びましょう。
人気だけで選ばない
多くの人が使っているテキストであっても自分に合うとは限りません。
可能であればサンプルやレビューなどを確認して、自分にとって使いやすそうなものを選びましょう。
まとめ
いかがでしょうか。シリーズで過去問題集もあるおすすめ3冊を厳選してご紹介しましたが、自分に合ったテキストを選べそうでしょうか。
私は最小限のインプットで短期合格したいと思い、コンパクトにまとめられているテキストを選びました。
自分にとってわかりやすいテキストでしたので、幸い1回の受験で合格することができました。人事部勤務で試験範囲は日常的に接する内容が多く、コンパクトにまとまったテキストが効率的な学習に役立ったのだと思います。
学習経験者であれば、これまで勉強してきた疑問点を解消できるような情報量のテキストの方が安心できるという人が多いかもしれません。使いやすさについても、それぞれの人で基準は違うでしょう。
テキスト選びは重要ですが、テキストだけでなく、過去問題集とセットで活用することで学習効果がアップします。
ぜひ、テキスト⇒過去問題集⇒テキスト⇒過去問題集を繰り返して知識を定着させてほしいと思います。
資格を目指す目的や独学を選ぶ理由は、それぞれの人によって違いますので、私の経験がどのくらいお役に立つかわかりませんが、少しでも参考になれば幸いです。
①社労士試験の内容を知ろう
②社労士試験一発合格の計画を立てよう
③社労士試験の勉強方法:社会人の学習スタイル
④社労士試験の勉強時間:最短合格に
⑤社労士試験の独学勉強法:おすすめテキスト
⑥社労士試験の通信講座を見つけよう
⑦社労士試験の通学・スクールを選ぼう
⑧社労士試験勉強のコツ:労働関係科目編
⑨社労士試験勉強のコツ:社会保険科目編
⑩社労士試験直前期の勉強法:模試を受けよう
自習室の活用については、こちらの記事でご紹介します。

参考:厚生労働省、社会保険労務士試験オフィシャルサイト、各書籍