社会保険労務士試験に合格する人の多くは会社員です。働きながらどのように勉強しているのでしょうか?
私は人事部勤務でしたので、次のステップに進もうとするときに社労士の資格が思い浮かびました。
社会人が資格を目指すには、いろいろな思いがあるでしょう。
人事系でキャリアアップしたいので、社労士を取ってアピールしたい!
という人もいれば、
資格は取りたいけど、忙しくて勉強を続けられるか不安…
という人もいるのではないでしょうか。
ここでは、社会保険労務士を目指す社会人の勉強法についてご紹介します。
働きながら社会保険労務士の勉強をするには?
社労士試験は働きながら目指す人が多いですが、時間のやりくりとモチベーション管理がポイントになります。
課題を一つひとつクリアしていくことで合格が近づくでしょう。
社会人が抱える課題とポイント
社会人が社労士試験に取り組むときに直面しやすいのが、次のような課題です。
課題①
✓時間の確保が難しい
社会人が社労士試験を目指す上で、まず直面するのが「勉強時間の確保」です。
フルタイム勤務や残業が多い職場に勤めている場合、まとまった勉強時間を取るのは簡単ではありません。
家庭の事情も重なると、勉強の優先順位が下がってしまうこともあります。
課題②
✓モチベーションの維持が難しい
社労士試験は合格までに1000時間以上の学習時間が必要とされ、長期戦になります。
最初は意欲的でも、仕事の繁忙期や試験科目の難しさに直面して挫折しがちです。
モチベーションの維持は、合格に向けた重要なポイントです。
課題③
✓体力・気力が続かない
働きながらの勉強は、体力勝負でもあります。仕事が忙しいなかで、勉強時間を捻出すると、翌日の仕事に支障が出たり、体調を崩したりする可能性があります。
健康管理をしっかり行うことも、合格まで勉強を続ける上で欠かせない要素です。
次のポイントを押さえて、課題を乗り越えましょう
社会人の社労士試験合格を目指す勉強法
働きながら社労士を目指す人は多いですが、かけられる時間や費用などによって最適な学習スタイルは変わってきます。
まず、社労士の資格を取得する方法として、次の学習スタイルがあります。
- 独学
- 通信・オンライン講座
- 通学・資格スクール
- 大学・専門学校
自分の状況に合わせて学習スタイルを選んだり、組み合わせたりして学ぶことになります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
独学で勉強する場合
テキストや過去問題集が市販されている資格であれば、独学でも取得を目指すことができます。
社労士はテキストも過去問題集もたくさんありますので、まずは独学でがんばってみようと考える人も多いでしょう。
独学は、経済的に自分のペースで資格取得を目指すことができるのがメリットです。
私は社会人講座で社労士を受講しましたが、学習の中心は市販の基本テキスト1冊と過去問題集1冊だけでした。
独学の難しさは、やはり勉強時間の確保などで強い意志が必要となることでしょう。
個人的には、残業も人付き合いもしながら勉強時間を確保することはできましたので、それほど心配しなくても大丈夫かなと思います。
勉強優先の生活リズムを作るまでに挫折してしまうことはあると思いますので、合う人と合わない人が分かれる学習スタイルかもしれません。
通信・オンライン講座を使って勉強する場合
通信・オンライン講座は、独学と通学・資格スクールの間くらいの学習スタイルといえるでしょう。
予算を抑えて自分のペースで学習を進められますので、働きながら資格取得を目指す会社員に向いていると思います。
私も今なら選択肢が増えたオンライン講座を使ってスキマ時間をフル活用したいです。
通学・資格スクールで勉強する場合
通学・資格スクールは、短期間で効率的に学習を進めることができる方法です。
講師の授業を受けて質問できたり、勉強仲間や人脈ができることが通学のメリットです。
通学は、仕事をしながらスクールに通う時間を調整しなければなりません。
当然ですが、スクールに通うだけで合格できるわけではなく、自分でも勉強する時間を確保する必要があります。
限られた時間から勉強時間を調整する社会人にとっては、少し時間がもったいないと感じるかもしれません。
やはり、通いやすさや振替は重要ポイントになるでしょう。
大学・専門学校で学ぶ場合
さまざまな知識を幅広く身につけたい場合は、大学や専門学校で学ぶ方法もあります。
社労士の資格取得では、受験指導を行っている専門学校が全国にあります。
予算や時間、期間にあまり制限がなく、じっくり時間をかけて学びたい人に向いています。
今の仕事を続けられるのか、別の時間を調整しやすい仕事を探すのか、仕事はせず勉強に専念するのかを決める必要があります。
専門学校の例
大原学園グループの専門学校では、教育訓練給付金の対象となる社労士合格コースを展開しています。
- 訓練期間:10ヵ月
- 学習時間:158時間
- 受講料:18万円
内容は変更されることがありますので、コースの詳細や最新情報は、地域の学校公式サイトをご確認ください。
学習スタイルの選び方
働きながら資格を目指す場合、多くの人は独学か通信講座、通学スクールから選んだり、組み合わせたりすることになるでしょう。
項目 | 独学 | 通信講座 | 通学スクール |
---|---|---|---|
費用 | 安い (数千円〜1万円) | 中程度 (5万〜20万円程度) | 高い (15万〜25万円以上) |
学習ペースの自由度 | 高い (自分のペース) | 高い (自分のペース) | 低い (決められたペース) |
教材の質 | 自分で選ぶ | 高い (オリジナル教材等) | 高い (講義+教材等) |
サポート体制 | なしまたは限定的 | 中程度 (質問サポート等) | 高い (直接質問等) |
モチベーション維持 | 難しい (自己管理が必要) | 中程度 (進捗管理等) | 維持しやすい (講義や受講生) |
時間の柔軟性 | 高い | 高い | 低い |
それぞれの学習スタイルは、次のような人に向いています。
学習スタイルを決めて、実際に勉強をスタートするときには、さらにテキストや講座を選ぶことになります。
教材やカリキュラムが自分に合っていて、勉強しやすいものであるかどうかで選ぶことをおすすめします。
人気や価格も判断材料のひとつではありますが、やはり試験に合格するまで勉強を続けられるかどうかが重要だと思います。
多くの人が使っているから自分にも合うとは限りませんので。
働きながら勉強を続けるモチベーション管理法
社労士試験に合格するまでに、仕事での疲れや急な予定変更などで、つい勉強が中断してしまうこともあるでしょう。
社会人は、モチベーションをしっかり維持する工夫が重要です。
目標設定は「短期」と「長期」の二本立て
勉強を始める前に、まずは「いつまでに合格するか」という長期目標を設定しましょう。
それだけだと遠いゴールに感じてしまうので、月ごとや週ごとの「小目標」も決めるのがおすすめです。
例えば、「今月は労基法を一周する」「今週は過去問を10ページ解く」といった具体的な目標を立てることで、達成感を得ながら前進できます。
進捗管理でモチベーションを可視化
勉強の進捗を「見える化」するのも効果的です。市販の学習管理アプリやスケジュール帳に「勉強時間」「やった範囲」を記録すると、達成感があります。
達成度が目に見えると、勉強も継続しやすくなります。
スキマ時間も有効活用
社会人にとって、まとまった時間を確保するのは難しいものです。使えるスキマ時間はフル活用しましょう。
一問一答アプリや音声講義など、スキマ時間でも使える教材を常に用意しておくと、時間を有効活用できます。
まとめ|自分に合った勉強法で社労士合格を目指そう!
私はシンプルなものが好きなので、コンパクトにまとめられたテキストと同じシリーズの過去問題集を選び、仕事帰りにさくっと通える社会人講座を受講しました。
仕事が終わってからと休日を使った勉強で、社労士試験に1回で合格することができました。
私はできるだけ少ない支出で最短合格することを重視しましたが、全く違う基準で選ぶ人も多いと思います。
学習スタイルはどれかひとつに決めなくても、学習のレベルや進捗に合わせて選んだり、組み合わせてもいいでしょう。
働きながら資格を目指すことは同じであっても、それぞれに状況や目標が違いますので、自分に合った学習スタイルをできるだけ早くに確立することが合格への近道です。
自習室の活用については、こちらの記事でご紹介します。
